TOP > 不動産売却の基礎知識 > 不動産の売却 > 不動産会社の売却業務の内容と仲介手数料とは
不動産会社の売却業務の内容と仲介手数料とは
不動産会社の売却業務の内容と仲介手数料とは
不動産会社の仲介手数料は大まかに、売却価格の3%+アルファー程度ということはご存じの方も多くいます。仲介手数料が高いと思われるのは、不動産の価格が一般的な商品と比較し高くなるためです。比率自体はどう思われますか?そして、不動産会社の仲介業務の内容についてご存じでしょうか?そして、仲介手数料は売却がまとまった時に限られる成功報酬制です。ここでは仲介業の内容や営業活動そして仲介手数料について説明します。
目次
1.不動産仲介会社の売却業務の内容
(1) 売却相談
(2) 査定・物件の確認・調査
(3) 媒介契約
(4) 営業活動
(5) 購入申込み~売買契約の締結
(6) 売買契約後の手続き
(7) 残代金決済・引渡し
2.仲介手数料
(1) 仲介手数料の金額
(2) 仲介手数料に含まれる費用
(3) 仲介手数料に含まれない別途かかる費用
まとめ
1.不動産仲介会社の売却業務の内容
不動産仲介会社による売却業務は次のようなものです。不動産売却の流れに沿って説明します。
(1) 売却相談
売主の所有不動産の売却について、市場性や相場、住宅ローンが残っているか否か、売れそうかどうか、売却にかかる費用はいくらぐらいかなど各種の相談に応じます。
(2) 査定・物件の確認・調査
不動産の売却では所有の不動産がいくら位で売れるか資産価値を把握することから始まります。売却が決まっていなくても検討するためにはまず査定が必要です。査定は不動産の状況に関するデータだけで見積もる机上査定で最初に行う方法が一般的です。インターネットなどでも可能です。机上査定は複数社で行うのが一般的で、その中で査定額などを見て会社を絞り込み、その後、絞り込んだ会社に訪問査定を依頼し、物件の状況、地域環境の調査、周辺の成約事例・売出事例、市場の動向やエリア特性などを考慮して出された査定価格を検討します。
(3) 媒介契約
売主は不動産会社から査定価格と物件の評価、周辺の取引事例や公示価格・路線価などのデータなどの説明を受けます。複数社の査定であれば比較検討し売却判断の決定をします。そして、売却依頼する不動産会社を決めます。不動産会社と売主は相談して売出価格を決め、さらに売却活動の内容についても確認します。十分に納得したうえで、媒介契約を締結します。
また、媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種がありいずれの形態にするかを決めます。媒介契約の種類の説明は別の項目ありますので参照ください。
(4) 営業活動
不動産会社は売却のための可能なあらゆる活動を行います。主な営業には次のようなものがあります。
①レインズへの登録
物件情報を「レインズ(不動産流通標準情報システム)」に登録し、購入希望者を広く募ります。「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」を売り主と結んだ不動産会社は、それぞれ5営業日以内、7営業日以内に登録しなければなりません。
②不動産会社の顧客リストへの物件情報の提供
不動産会社は過去に自社で不動産を購入した顧客や購入希望者のリストを持っています。このリストを活用し、売り主の物件情報を提供し販売促進を行います。
③広告の掲載
新聞の折込チラシやポスティング、ミニコミ誌、不動産関連のポータルサイトなどへ広告を行います。また、自社サイトなどにも情報を掲載します。
④物件案内、内覧会などの開催
広告の反響から実際の物件を見てもらいアピールします。また、広告では表現できない印象的な部分もアピールします。
(5) 購入申込み~売買契約の締結
購入希望者が現れたら価格や引渡し等の条件について協議し調整を行います。売主、買主双方で合意に至ったら売買契約を交わします。
(6) 売買契約後の手続き
売主の既存ローンが残っている場合の完済手続きや抵当権抹消の手続きなどを済ませ、買主に引渡せる状態にする調整をします。
(7) 残代金決済・引渡し
売買契約時に定めた内容で物件の引渡しを行います。物件の状況を改めて確認しましょう。残代金の受領と同時に物件(鍵)の引渡しを行い、売却手続きを完了させます。
2.仲介手数料
(1) 仲介手数料の金額
不動産会社が受け取る仲介手数料では、宅地建物取引業法により上限額が設定されており、それを超えて仲介手数料を請求することはできません。また、上限額以内であれば、自由に金額を決めることができます。
- 仲介手数料の上限額
※売買価格には消費税を含みません。ただし、報酬額には別途消費税がかかります。
売買価格 200万円以下の部分―取引額の5%以内
200万円超400万円以下の部分―取引額の4%以内
400万円超の部分―取引額の3%以内
400万円を超える場合は、上記をまとめて以下の計算式で求められます。消費税10%の場合は、具体的には速算式は以下の計算式となります。
- 仲介手数料 =売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税10%
(売買価格×3.3%+6万6,000円)
なお、仲介手数料は大きな金額になることもあるので、消費税の負担も気になりますが、消費税は国内で事業者が事業として対価を得て行う取引で仲介手数料にも課税されます。
(2) 仲介手数料に含まれる費用
手数料に含まれるのは「通常の業務で発生する費用」です。前述した不動産会社の仲介の仕事に関する費用は含まれます。営業については通常の広告のための費用は不動産会社の負担となります。
(3) 仲介手数料に含まれない別途かかる費用
売主の依頼で、特別に広告をした場合の広告費、遠隔地の購入希望者のところへの出張をした場合の交通費、特別の調査に要した費用、通信費などはオプション費用となり売主の負担となります。
不動産会社は売主からそのような依頼を受けたときは、あらかじめ、請求する費用の見積りを説明してから実行すべきとされています。また、この費用の請求は、成約の有無に関わらず不動産会社はできるものです。
まとめ
・不動産仲介会社の売却業務の内容には次のようなものがあります。
①売却相談
②査定・物件の確認・調査
③媒介契約
④営業活動
⑤購入申込み~売買契約の締結
⑥売買契約後の手続き
⑦残代金決済・引渡し
・仲介手数料は成功報酬制です。
・仲介手数料の標準的な金額の速算式は以下の計算式となります。
仲介手数料 =売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税10%
(売買価格×3.3%+6万6,000円)
・仲介手数料に含まれる費用は「通常の業務で発生する費用」です。営業については通常の広告のための費用は含まれますが、依頼者の希望で特別に行うものは仲介手数料に含まれず別途費用となります。