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不動産売却における値下げのタイミングと値下げ額
不動産売却における値下げのタイミングと値下げ額
不動産を売却しようと思っている方は、ほぼ、間違いなく少しでも高く売りたいと考えています。そのため最初の値付けが問題になります。しかし、その価格で売り出した時に反響が乏しい時で価格が原因と考えられる場合は、いつ頃値下げに踏み切るべきか、また、買い手から引き合いがあり値引き交渉になったらどの程度値引きするかなどにつき紹介します。
目次
1. 売却営業期間の経過から値下げを検討する。
2. 問い合わせ件数から購入需要の高さ・低さを判断する。
3. 売り手の事情から売価時期を考える。
4. 不動産会社の変更の検討
5. 値下げ交渉に売主本人が応じるのは避けた方が良い。
6. 値下げ交渉では適正価格を基準にする。
7. 値下げ額の検討
まとめ
1.売却営業期間の経過から値下げを検討する。
不動産会社が営業を開始して買い手が付くまでの期間の目安は、物件の地域、特性によりますが、一定の市場性があると想定される物件であれば平均期間で3~6カ月程度と言われています。
そのため、レインズ登録して3カ月以上売れ残った物件は、仲介業者や購入希望者から値下げ交渉を受けやすくなります。このタイミングで価格交渉を受けるケースが増えるのは、「売主も売れ残って困っているから、値下げに応じてくれやすいだろう」という買主側の憶測が働くためです。これは単なる憶測で、明確な根拠に基づかない場合がほとんどで、特別に急ぐ事情が無ければ応じないのがベターです。
しかし、レインズ登録もし、かつ不動産会社が一定の広告営業をしても反響がない場合は値下げの検討も必要になってきます。時期的には売り出しから6カ月後程度です。6カ月というのは不動産売却にかかる平均期間を過ぎた時期です。
ただし、その6カ月間に不動産の動く時期の1~4月が入っていたかどうかをチェックし、入っていなければその時期まで待っても良いでしょう。
2.問い合わせ件数から購入需要の高さ・低さを判断する。
不動産会社が営業を開始し、レインズ登録やチラシや提携サイトにネット広告を出したり、営業したりすることで、購入希望者の目に留まる可能性を増やしていきます。広告をみた買い手側の仲介業者や買い手の問い合わせ件数が非常に低い場合は、売主は不動産会社と相談して価格が原因かどうかを検討します。価格の高さに引っかかっている可能性が高い場合は値下げを検討します。
また、広告の効果についても検討します。広告の量が少ない、広告媒体が適当でないなどの原因が考えられます。広告の露出が少なく買い手の目に留まっていないということです。また広告のターゲットが適当でないことも考えられます。不動産会社と相談し広告の拡大や媒体の変更を依頼します。
3.売り手の事情から売却時期を考える。
転勤による買い替えや借金の返済など短時間で現金化が必要な場合は時期的な制限があります。早く売らなければならない状況であれば、相場より多少安い価格でも売ることを考える必要があります。
ただし、不動産会社とも打ち合わせ、売主が急ぎ事情はあっても明らかにしない方が価格交渉は不利になりません。こちらの弱みを握られれば相手は値下げに強硬になってくる可能性があります。
4.不動産会社の変更の検討
広告反響の数があまりに少なく、不動産会社やその担当者と話しても熱意が薄いと思われる場合は、不動産会社の変更を検討せざるをえない場合もあると思います。
一般媒介契約の場合は他のより熱意のあると思われる会社と契約し販売を広げる方法があります。また、責任をもって営業してくれる会社をあたり、専任媒介契約や専属専任媒介契約にして1社に任せる方法もあります。時期的には営業開始後3カ月以降程度が目安になります。
5.値下げ交渉に売主本人が応じるのは避けた方が良い。
売主本人が交渉に応じると、売主が曖昧な返答をしてしまった結果、言質を取った購入希望者に言いくるめられてしまうことがあります。また、売り急ぐ事情があるかないかなど、探りを入れられる可能性もあります。
値下げ交渉を受けたら、必ず不動産会社を間に入れて対応するようにします。
6.値下げ交渉では適正価格を基準にする。
買い手の引き合いでは多くの場合値下げ交渉があります。買い手は少しでも価格を下げたいと思い大幅な値下げを要求してくる場合があります。しかし、売れないからと言って、買い手のペースで物件の価格を下げすぎてはいけません。基準となるのはあくまでも相場価格です。
価格が適正かどうかは周辺相場と比較してチェックします。自身の物件が好条件の場合は相場の参考となる取引事例よりも優れている面を主張します。
また、「〇万円下げ〇円になれば買います」と言われ、売りたい気持ちが強いと心理的に売り急ぎ、要求に屈してしまう可能性が高いので適正価格の意識は絶えず必要です。
7.値下げ額の検討
不動産会社と相談し値下げ額を検討します。
値下げ額では1つの目安として「50万円」程度があります。一定程度の心理的効果のある額です。価格は下げる幅が大きいほどインパクトがありますが、物件自体の価値の評価を下げる危険性や、売り急ぐ事情があると思われさらに値引きを要求してくる危険性もあります。
また、一般的に端数を差し引いた額が考えられます。たとえば、3,470万円で売り出していたら70万円、4,580万円で売り出していたら80万円などです。
金額上の値下げ幅はあらかじめ検討し準備はしておきます。値引き割合としては5~10%引きが目安でしょう。2,000万円代~3,000万円代の土地では、100~200万円の値下げ幅です。
まとめ
・値下げの検討は時期的には売り出しから6カ月後程度です。
・問い合わせ件数が非常に低い場合は不動産会社と相談してその原因を検討し価格が原因と思われる場合は値下げを検討します。
・広告の効果が、広告の量が少ない、広告媒体が適当でないなどの原因により乏しい場合は、広告の強化拡大の必要があります。
・不動産会社の変更、媒介契約の変更で、より熱心に営業に取り組んでく会社に変えることも方法の1つです。
・値下げ交渉では適正価格を基準にすることが基本です。
・値下げ額では、50万円程度から始め、値引き割合としては5~10%引きまでが目安でしょう。