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自宅売却の準備のための生前整理
自宅売却の準備のための生前整理
シニアになってからの自宅売却は、老後の心配から子供の家への同居の場合が多くあるでしょう。また、故郷へのUターンや、定年後の田舎暮らしなどでの自宅売却もあるでしょう。長年住んだ自宅の売却では、不要な物の整理と同時に、終活の一環としての生前整理の要素もあります。終活とは、人生の終わりにあたっての人生の整理全体に関するもので、物の整理からデータの整理、そして、人との付き合いの整理や、人により債権・債務の整理もあるかもしれません。自宅売却の準備のための生前整理の方法を紹介します。
目次
1. 自宅売却の準備のための物の整理
(1) 整理対象を決める。
(2) 対象別に整理に必要な道具を準備する。
(3) 必要なものと不要なもの、判断に迷う場合の保留の3分類の仕分け場所を用意し仕分けする。
2. 自宅売却に合わせて行う生前整理
(1) 仕事や付き合いの整理
(2) デジタル情報の整理や消去、機器情報の整理
(3) 家族、家系ルーツの資料の整理
(4) お金に関する整理
(5) 相続に関する情報整理
まとめ
1.自宅売却の準備のための物の整理
基本は必要なものと不要なもの、判断に迷うものの保留の3分類します。
自宅売却の時期までに整理します。作業は広範囲になりますから、作業対象を決め、対象ごとに作業をしていきます。手順としては次のようなものです。
(1) 整理対象を決める。
➀物単位
貴重品・書類・書籍・写真データ・ビデオ機器とデータ・ICレコーダーと音声データ・衣類・家具・道具類・家電・パソコン関係 など
②部屋や場所単位
部屋や場所単位の整理整頓になります。収納の問題が出てきます。
(2) 対象別に整理に必要な道具を準備する。
ダンボール箱、不要なもので廃棄するものを結ぶひもやカッター、必要な資料を分野ごとに整理するバインダー、不用品を入れるゴミ袋などです。
(3) 必要なものと不要なもの、判断に迷う場合の保留の3分類の仕分け場所を用意し仕分けする。
物により床にシートを起き分別して整理する方法や、書棚から不要な書籍だけを抜き出してひもで結び捨てる準備をするなど、対象により整理方法を考えます。
a 必要なものを整理収納する。
内容の分かるタイトルの紙・シールを貼り、整理収納します。
b. 廃棄物を一般ゴミ・粗大ゴミなどの処分の決まりに従って処分する。
c. 貴重品資料関係などは家族に伝える資料としてまとめ説明しておく。
1つの対象が終われば順次次の対象に掛かります。できるところから無理なく始めて構いません。
2.自宅売却に合わせて行う生前整理
終活の一環として身辺の整理をします。
(1) 仕事や付き合いの整理
仕事や付き合いの整理では次のようなものがあります。
➀かってやっていた仕事の資料などの処分
仕事を引退しているのであれば多くの資料は不要になっているでしょう。大切なものだけを残し他のものは処分します。
②名刺の整理、処分
同様に仕事を引退しているのであれば多くの名刺は不要になっているでしょう。大切な人の名刺や、現在も生きている名刺だけを残し他のものは処分します。
③年賀状の整理と取りやめ
年賀状もお互いの付き合いで繰り返しているだけの場合が多くあります。年齢を理由に、または、健康を理由に、次年より止めたいと申し出て止めても良いでしょう。また、インターネットのメールなどへの切り替えをする方法もあります。
④お歳暮、お中元の見直しと廃止
親戚関係などで習慣的に行っているお歳暮、お中元は、双方お互いに贈っていて無駄であることを相手に相談し、お互いに虚礼廃止に踏み切るなどをしたらよいと思います。
(2) デジタル情報の整理や消去、機器情報の整理
デジタル情報も使わないまま残しておくと、ウィルスなどの被害でプライバシーデータが流出する恐れや、アカウント情報が乗っ取られ悪用される危険性があります。生前整理ではインターネットを使う人はやっておくべきでしょう。IDやパスワードを入力して使用するものの整理では次のようなものがあります。
➀インターネットでの使っていないサービスの退会
②インターネットショッピングでのクレジット情報、銀行口座情報の削除など
セキュリティ上の理由で使っていないサービスの退会処理やクレジット情報、金融口座情報の消去を行います。また、クレジット情報が必要な場合は、その都度入力し登録サイトへ登録情報として残さない方法もあります。
③使っていないフェイスブック、LINEなどSNSの登録廃止や個人情報の削除
④パソコンの廃棄の際の個人情報の削除と安全な廃棄方法の選択
⑤Web、SNSなどのID、パスワードの保管
オフラインでのデータ保管をしておきます。
⑥自分に不都合な情報がネット上に出ていないかのチェックと可能な対策の検討
悪意ある情報の存在があればチェックし可能な対応策を検討します。また、専門家などに相談します。
⑦パソコンやIT機器などの保証書、契約書、マニュアルなどの整理
不具合があった時のために必要です。パソコンを処分する場合も購入店の記録も必要です。また、機器の故障の場合にも必要です。
⑧スマホの契約書、取扱説明書などの整理
などがあります。
(3) 家族、家系ルーツの資料の整理
➀写真、アルバムの整理
デジカメ、スマホカメラ時代になり写真点数が大幅に増えていますが、整理が出来ていない現状です。時間のある時に整理しておきたいものです。
②親族名簿、知人名簿の整理
冠婚葬祭の際に必要な、親族の関係と連絡先に関する名簿を整理しておきます。また、自分が死んだ場合に連絡してほしい親しい人などの名簿もあると良いでしょう。
③家系ルーツの資料作成
家系ルーツに関する資料があれば整理します。また、自分の代で可能な限り調べてみて子や孫に伝えることが大切です。
(4) お金に関する整理
お金に関するトラブルは深刻であり、外部の力を借りてでも解決やその糸口を付けておくべきものです。
➀債権の回収
貸したお金が返ってこない場合、その他の債権回収が滞っている場合の処理です。多額の場合は、民間も含めた債権回収機関や事業者への依頼、法的手段なども検討します。
②未払金、借金の処理
逆に借りたお金や未払金の返済です。計画的に処理しておかないと家族に迷惑がかかります。
③連帯保証人、身元保証人などになっている情報の整理
相手先の情報、契約書・覚書などを必ず残しておきましょう。また、リスクの内容、金額などに関する情報も整理しておきましょう。親族関係で引き受けざるを得ない場合もあるからです。特に住宅に関するものは金額が大きく重要です。
(5) 相続に関する情報整理
自分が死んだ場合に必要になる資料、書類を整理し、その場所を家族に伝えておくことが必要です。必要な資料などは次のようなものです。資料をまとめておき、家族にその場所を伝えておきます。
➀死亡手続きに関連するもの
・健康保険証関連
死亡した場合、国民健康保険から葬儀費用が出ます。
・年金番号、年金証書その他年金資料
死亡により本人への年金支給が停止されます。遺族年金が新たに発生する場合があります。
・個人本人証明資料
マイナンバーカード、パスポート、自動車免許証など
②相続に関連するもの
a. 本籍地の情報
b. 金融関連情報
・銀行預貯金通帳と銀行印、銀行カードと暗証番号メモ
・定期預金通帳や定額預金などの情報
・貸金庫の入室カードと暗証番号メモ及び個別貸金庫の鍵
・ネットバンクのID、パスワードなど
・有価証券書類(株券、公社債・投資信託書類など)
・ネット証券のID、パスワードなど
・生命保険・損害保険証書
・クレジットカードなど金融カード、ショッピングカード関係資料(暗証番号なども)
c. 不動産関連情報
・登記識別情報資料、登記権利証
・不動産賃貸借契約書
まとめ
・物の整理では、必要なものと不要なもの、判断に迷うものの保留の3分類します。
・自宅売却に合わせて行う生前整理には次のようなものがあります。
➀仕事や付き合いの整理
②デジタル情報の整理や消去、機器情報の整理
③家族、家系ルーツの資料の整理
④お金に関する整理
⑤相続に関する情報整理