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家を売却したら戻ってくるお金とは?
家を売却したら戻ってくるお金とは?
不動産を売却すると、それまでに払った費用が戻ってくることがあります。戻ってくるお金の1つに火災保険があります。火災保険は火災だけでなく台風や豪雨などの自然災害による雨漏りや住宅の破損にも適用されます。売主にとっては売却前に火災保険の申請で認められれば保険金で補修することができます。そのため売主の契約不適合責任などの売却後の買主のクレーム対策にもなります。火災保険の解約時期が重要です。この記事では、その他売却後戻ってくるお金にはどのようなものがあるか、それぞれ必要な手続きは?手続きの時期は?などについて説明します。
目次
1. 戻ってくるお金にはどのようなものがあるか?
2. 火災保険料、地震保険料
(1) 解約手続きで一部の返金
(2) 戻ってくる金額の計算
(3) 保険契約の解約手続き
(4) 保険解約の適切な時期とは?
3. 住宅ローン保証料
(1) 解約手続きで一部の返金
(2) 戻ってくる金額の計算
4. 固定資産税、都市計画税
(1) 売主が1年分を納税し、売買契約後の引き渡し日以降分を、買主が売主に支払い清算する。
(2) 日割り計算の仕方
まとめ
1.戻ってくるお金にはどのようなものがあるか?
戻ってくるお金では次のようなものがあります。
➀火災保険料、地震保険料
②住宅ローン保証料
③固定資産税、都市計画税
これらについて以下説明していきます。
2.火災保険料、地震保険料
(1) 解約手続きで一部の返金
住宅の建設、購入にあたり多くの場合に火災保険や地震保険に加入します。その保険料は売却に伴い支払った分のうち残った期間に相当する分が返金されます。
解約した時の保険料は、特に法律で返却しなければならないというルールはなく、売主が火災保険会社に対して請求手続きをしなければ戻ってきませんので注意が必要です。
(2) 戻ってくる金額の計算
・保険料を1年ごとに支払っている場合は、次の式で返金額を計算できます。
*年間の保険料×(すでに経過期間に対する係数)
係数は加入している保険会社によって異なるため、確認する必要があります。
・1年以上の長期間契約で加入していて、一括支払いをしている場合は、次の式で返金額を計算できます。
*一括で支払った保険料×未経過期間に対する係数
こちらの係数も、保険会社によって設定が異なります。
(3) 保険契約の解約手続き
➀加入している火災保険を確認
どの保険会社の火災保険に加入しているか確認します。確認する方法は次の通りです。
・保険証券を確認する。
保険証券には保険会社が記載されているため、手元にあるものを確認します。
・保険会社からのお知らせで確認する。
保険会社から定期的に送られてくるお知らせをチェックします。
・通帳の出金内容をチェックする。
保険料を口座引き落としにしている場合は、通帳の取引内容を見ることで、保険会社がわかります。
②保険を解約する手続き
保険を解約する手続きは、以下のようなものです。
a. 保険証書に記載されている保険代理店に、売買契約後に連絡し火災保険の解約申請を連絡する。
連絡は電話を中心にネットでの対応が可能な場合や店舗窓口の場合もあります。
b. 書類が郵送されてくるので、署名捺印して送り返す。
解約の申請をすると、保険会社から解約書類が郵送されるため、必要事項を記入し、署名や捺印をして返送します。
c. 後日、払戻金が振り込まれる。
(4) 保険解約の適切な時期とは?
火災保険に加入している家は、売却時に自動で保険が解約されるわけではありません。契約期間満了まで保険は適用され続けるため、売却時には自身で解約手続きをする必要があります。
・保険規約の適切な時期ですが、解約前に保険を適用して家の修繕をしておくのが有益な場合があります。
・火災保険では火災だけでなく台風、豪雨などの自然災害などによる被害で生じた、雨漏り、屋根や瓦の破損、樋の破損などにも保険が適用されます。
保険を適用して修繕しておくことで、修繕コストを抑えることができ、費用を節約して家の補修ができます。
また、売却後の売主の契約不適合責任(瑕疵担保など)を買主から追及されないためにも有効です。
3.住宅ローン保証料
住宅ローン保証料とは、万が一借主が返済不能や延滞した場合などに備えてローンを組む場合に結ばれる保証契約のための費用になります。
(1) 解約手続きで一部の返金
住宅に住宅ローンを組む場合、銀行側より保証会社への加入が条件になっていることがほとんどです。これも火災保険料と同じく、購入時に加入するものであり、借り入れ年数分を長期一括で支払います。
ローンの対象となる物件の売却が決まれば住宅ローンの繰上げ返済がおこなわれ、それに伴いこの保証も不要となります。よって保証契約時に支払われた住宅ローン保証料のうち、残存期間に相当する分が清算されて戻ってくることになります。
保証料の相場は、一括払いでローン総額の2.0〜2.2%程度です。
(2) 戻ってくる金額の計算
戻ってくるお金の額は、例えば30年の住宅ローンを組んで一括で支払い、住宅ローンを支払い後10年で住宅を売却する場合は、残り20年分の保証料が返金される計算になります。
4.固定資産税、都市計画税
(1) 売主が1年分を納税し、売買契約後の引き渡し日以降分を、買主が売主に支払い清算する。
固定資産税と都市計画税は、1月1日時点の所有者である売主が1年分を納税するものです。売却後買主は、引き渡し日以降の、固定資産税・都市計画税を日割りで計算し、売主に支払います。
(2) 日割り計算の仕方
日割り計算のルールについては関東と関西で異なり、関東の基準日は1月1日、関西の基準日は4月1日とされる場合が一般的です。原則的に、起算日をどちらにするかは、売主と買主との話し合いで決めることができます。しかし、起算日の違いで「戻ってくるお金」の額が違うので、売主は注意しなければなりません。
決済日に「固定資産税の額×所有日数/365日」で計算した清算金を受け取ることができます。
引渡し日以降の分を日割り計算して、不動産会社が買主に請求してくれるのが一般的です。
まとめ