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戸建て住宅を売るか貸すか、迷った場合のチェックポイント
戸建て住宅を売るか貸すか、迷った場合のチェックポイント
戸建て住宅をお持ちの方の中には、売るか貸すか迷っている人もおられると思います。物件の特性からの判断や、自分自身の短期的、長期的判断もあるでしょう。また、相続対策を考える場合もあるでしょう。また、「売れる物件」と「貸せる物件」とは必ずしも同じではありません。それぞれの特徴があります。戸建て住宅を売るか貸すかの双方のメリット、デメリットと売却、賃貸の双方に向いている住宅の特徴などを説明します。
目次
1. 戸建て住宅を売るメリット
(1) まとまった現金を手にすることができる。
(2) 固定資産税、維持管理費がかからなくなる。
(3) 使わない空き家の場合は精神的負担から解放される。
2. 戸建て住宅を売るデメリット
(1) 資産を失う。
(2) 相続税対策にならない。
3. 戸建て住宅を貸すメリット
(1) 家賃収入を得ることができる。
(2) 相続税対策になる。
(3) 将来的に売却できる可能性も残せる。
4. 戸建て住宅を貸すデメリット
(1) 修繕義務がある。
(2) 空室リスクがある。
(3) 固定資産税や維持管理費がかかる。
(4) 水周りなどのリフォームコストがかかる。
5. 売却に向いている戸建て住宅
(1) 駅から徒歩10分以上にある物件
(2) 環境の良い物件
(3) 築20年以内の物件
(4) 住宅ローンを完済していない物件
(5) 賃貸住宅のニーズがない地域の物件
6. 賃貸に向いている戸建て住宅
(1) 住宅ローンを完済している物件
(2) 駅から徒歩10分以内にある物件
(3) 日照が乏しいなどのマイナス点があっても家賃を安くすれば独身者などに貸せる物件
(4) 近隣に大学などがある物件
(5) 家賃相場が高い地域の物件
7. 自分自身の事情からの判断
(1) まとまった資金需要があるか?
(2) 生活資金など月々の収入が必要な場合
(3) 当該住宅に住む人がいない場合、または、いなくなる場合
(4) 他にも資産があり相続税対策が必要な場合
まとめ
1.戸建て住宅を売るメリット
(1) まとまった現金を手にすることができる。
まとまった現金を手にすることができるという点です。
次の家の買い替えで頭金が必要な場合や住宅ローンを返済する必要、その他資金の目的があれば、売却はメリットがあります。
(2) 固定資産税、維持管理費がかからなくなる。
一戸建ては保有している以上、固定資産税や保険料等の維持費が生じます。売却することで、これらの固定資産税や保険料を払う必要がなくなります。
(3) 使わない空き家の場合は、管理の負担から解放される。
2.戸建て住宅を売るデメリット
(1) 資産を失う。
資産を失い、その後生かすことはできなくなります。
(2) 相続をする場合よりも税負担が大きくなる。
不動産は生前に売却して現金に換えるよりも相続で引き継ぐ方が税負担は低くなります。不動産は他人に貸して収益物件にすることでさらに相続税評価額が安くなるという性質があります。
3.戸建て住宅を貸すメリット
(1) 家賃収入を得ることができる。
家賃収入を得ることができるという点です。
家賃収入は、入居者がいる間はずっと生じ続けるため、安定収益を得ることができます。
(2) 相続税対策になる。
賃貸物件では相続税額評価の上でさらに評価減があります。
(3) 将来的に売却できる可能性も残せる。
将来的に売却できる可能性も残されています。
賃貸物件では、戸建ての方が複数の入居者のいるアパートよりは売りやすい面があります。
4.戸建て住宅を貸すデメリット
(1) 修繕義務がある。
賃貸物件では貸主の修繕義務が生じるという点があります。
各部分の傷みによる修繕や雨漏り等が生じたら、所有者である貸主が修繕することになります。
(2) 空室リスクがある。
賃貸住宅では空室になる可能性があり、収益計画に穴が開きやすい点があります。
(3) 固定資産税や維持管理費がかかる。
空室時でも固定資産税等の税負担が必要です。
(4) 水周りなどのリフォームコストがかかる。
水周りなど傷みやすい部分では経年劣化がともない、リフォームで多額の費用が必要となります。
5.売却に向いている戸建て住宅
売却に向いている戸建て住宅の多くは賃貸にも向いていますが、賃貸には不利な場合の要因もあります。
(1) 駅から徒歩10分以上にある物件
駅から徒歩10分以上にある物件は貸しにくいため、売却した方が適切です。
賃貸事業は立地の良い場所でないと長続きしませんので売却が適切です。
(2) 環境の良い物件
自然環境や日照などの条件が良い、公園などが近い物件は、購入し長く住みたい人に向いています。
(3) 築20年以内の物件
戸建て住宅は築20年を超えると著しく売却しにくくなります。また、戸建て住宅はマンションと異なり、築年数が浅くてもいったん人が住んだ物件の建物の評価は大きく下がります。築20年以上の物件であれば土地としての売却に向いています。
(4) 住宅ローンを完済していない物件
売却で得たお金をローン残積の返済に充てることが出来るので、住宅ローンを完済していない物件は、売却の方が向いていると言えます。
一戸建てを貸すのであれば、住宅ローンが完済していることが原則となります。住宅ローンは、資金使途が自宅の購入であるため、投資用不動産のために利用することはできません。
仮に、住宅ローンで建設した物件を他人に貸していることが銀行に判明すると、アパートローンへの借り換えが要求されることもあります。アパートローンは住宅ローンよりも金利が高く借入期間が短いため、不利なローンとなります。
(5) 賃貸住宅のニーズがない地域の物件
賃貸住宅のニーズがないか、あっても乏しい場合は売却が適切です。
6.賃貸に向いている戸建て住宅
賃貸に向いている一戸建ての特徴は以下の通りです。
(1) 住宅ローンを完済している物件
住宅ローンを完済している物件なら、銀行とは既に関係がないため貸しても大丈夫です。
(2) 駅から徒歩10分以内にある物件
駅から徒歩10分圏内にあるような立地の良い物件は貸すのに適しています。
(3) 日照が乏しいなどのマイナス点があっても家賃を安くすれば独身者などに貸せる物件
独身者で働いている人は昼間いないため日照が乏しい、北向きなどの悪条件でも家賃が安くなれば借り手はいます。
(4) 近隣に大学などがある物件
地方から来る大学生があれば賃貸需要があります。1戸建てでもシェアハウスなどが可能な物件では複数人に貸す方法もあります。学生は卒業すれば退出するので回転率が良くなり敷金などの入金が計算できます。
(5) 家賃相場が高い地域の物件
地域相場が高ければ賃貸収入が見込めます。
収支計画では、ファミリータイプの戸建て住宅の平均入居期間はおよそ6年程度が一般的ですので、6年に一度、修繕費や入居者募集費用が生じるものと想定されます。費用の経費率は、家賃収入に対して15%~30%程度が一般的です。
7.自分自身の事情からの判断
(1) まとまった資金需要があるか?
住宅の買い替えや住み替え、老後資金などでお金が必要な場合は売却が適切と思われます。
(2) 生活資金など月々の収入が必要な場合
まとまった一時的な資金ではなく、継続的に生活などに必要な資金が求められる場合は賃貸住宅化が適切と思われます。しかし、リフォームの必要性がある場合は極力少資金で行い収支に配慮する必要があります。
(3) 当該住宅に住む人がいない場合、または、いなくなる場合
当該住宅に住む人がいない場合、または、いなくなる場合は売却が適切でしょう。
(4) 他にも資産があり相続税対策が必要な場合
将来の相続税対策が必要な場合は賃貸住宅化が適切でしょう。ただし、将来的に自分で使いたい場合は、期間を明確にした定期借地や駐車場なども検討すると良いでしょう。
まとめ