TOP > 不動産売却の基礎知識 > 不動産の売却 > 売れない・住宅に向かない」土地のトランクルームでの活用とは?
売れない・住宅に向かない」土地のトランクルームでの活用とは?
売れない・住宅に向かない」土地のトランクルームでの活用とは?
「相続した土地を売却することを検討したが買い手が見付からず困っている」、「放置している土地の固定資産税の負担が無駄」など、売れない土地、特に住宅に向かない土地の場合は苦労するものです。最終的に売却するにしても買い手の候補が現れるまでは、貸地として
「トランクルーム」などの貸倉庫について検討することも考えられます。この分野ではフランチャイズ方式で展開する企業もあり、集客を本部に任せることができます。トランクルームの形態や運営方法、運営のポイントなどについて紹介します。
目次
1. トランクルームとは
2. トランクルームの建築・設備形態
(1) 屋内型
(2) 屋外型
3. トランクルーム経営の運営方法
(1) 自営
(2) フランチャイズ加盟の上での経営
(3) トランクルーム運営会社への土地賃貸
4. トランクルーム経営のポイント
(1) 地形、周囲環境、立地、用途地域
(2) 収益性
5. 土地売却の判断
まとめ
1.トランクルームとは
トランクルームとは、個人や小規模事業者を対象とし、自宅や自社に収納スペースがない場合や、業務で倉庫ほどの広いスペースは不要な場合の、日常備品、設備備品や資材、材料などの保管の用途に、小規模の収納スペースを提供するものです。
2.トランクルームの建築・設備形態
トランクルームの形態は、屋内型で、専用の建物における室内形態(専用の建物を建築する場合もありますが既存の建物の活用の場合もあります)と、屋外型で、空き地にコンテナなどを設置する屋外形態があります。
(1) 屋内型
屋内型は建物のフロアを壁やパーテーションで区切り、収納スペースの貸し出しを行う形態です。
屋内型に関しては、現在所有している建物の空きスペースを使って始める場合コストは抑えられますが、ゼロから建物を建てる場合はコストがかかります。また、収納される物品により管理設備が必要となります。室内の温度管理や湿度管理が必要な場合です。また、トランクルーム全体を管理する人を置かない場合は、無人管理のシステムや防犯管理の設備が必要となります。維持費は屋外型より高いのが一般的です。
(2) 屋外型
屋外型は整地された地面にコンテナなどの収納物を設置するものです。
屋外型の最大のメリットは、低コストかつ手間をかけず経営ができる点です。管理人を行う必要はありませんが、夜間利用可能であるのが通常なので防犯灯や電話連絡システムなどの防犯設備は必要です。利用者とは契約を取り交わすだけなので、現地に常駐して管理を行う必要はありません。
3.トランクルーム経営の運営方法
トランクルーム経営の運営方法は、自営、フランチャイズへの加盟による経営、トランクルーム運営会社への賃貸に分けることができます。
(1) 自営
経営の全てを自分で行う方法です。経営方法を研究し集客営業は自分で行う必要があります。一定の投資額は必要で、利益は自分の収益に直結しますが、集客に失敗すると赤字の可能性もあります。
(2) フランチャイズ加盟の上での経営
フランチャイズ加盟での運営では、本部のサポートを受けて運営します。経営のノウハウを学べ、本部のネームバリューを使い早期の集客が可能となります。ただし、本部への加盟金、月々のフランチャイズ・ロイヤリティが必要となります。
設備の設置やメンテナンス費用の負担も必要です。
(3) トランクルーム運営会社への土地賃貸
トランクルーム運営会社へ土地の貸し出しをする形態です。地代収入のみとなり、定期借地とする形態もあります。事業用定期借地は、契約期間が10年以上30年未満と30年以上50年未満の2パターンです。一度契約を結ぶと、最低10年は別の土地活用ができません。
4.トランクルーム経営のポイント
(1) 地形、周囲環境、立地、用途地域
➀地形
トランクルームは、屋外型では、間口や広さが一定規模以上ある必要があるものの、狭小地や不整形地であってもコンテナが設置できれば検討できます。
②周囲環境
住宅ではないために、周辺に工場やお墓、葬儀場があっても、また、送電線の下でも構いません。
③立地
マンションはスペースが小さく、足りない収納スペースをトランクルームに求めるニーズがあります。また、コロナ禍による在宅時間の増加で、住居において生活スペースをより快適にするための整理整頓に、トランクルームが活用されるようになりました。オフィスなどでは、滞在人数や時間の減少からダウンサイジングが進み、不要品をトランクルームに置くことがあります。そのため、物件の近隣にマンションや商業地があれば市場性はよりあると考えられます。
また、荷物を預かるにはある程度利用者が車で来るにしても、アクセスの良い場所であることが必要です。住宅地が近い、主要道路へのアクセスが良いなど、ある程度の利便性がある立地であることが必要です。
④用途地域
トランクルームは倉庫に該当するため、市街化調整区域や建築基準法上の住居専用地域などでは設置できない場合があります。ただし、建物をアパートのような住宅型に建築しトランクルームにする方法をとる場合もあり、地域により調べる必要があります。
(2) 収益性
管理などのランニングコストは少ない一方、賃料収入が少ない点は注意が必要です。ただし、住宅のように水周りの痛みがなくリフォームの必要性がほとんどないこと、築年数による家賃の下落が無いのが利点です。
5.土地売却の判断
トランクルームなどの用途で自営や借地にしている土地を売却するかの判断ですが、トランクルームとしての経営がうまくいっているか、収支トントンであればトランクルームの施設ごとの土地売却も可能でしょう。
また、トランクルーム経営が赤字の場合は、原因分析し対策を考えます。フランチャイズも含めて他社に経営を委ねるか、根本的に立地に問題があればトランクルーム経営をあきらめ、土地としての売却に再度立ち戻って考える必要がある場合もあります。住宅地として売れない土地であれば、時間をかけて売るか、価格にこだわらずに売ることも考えなければなりません。
まとめ