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誰でも取引価格が見れる!国土交通省「土地総合情報システム」サイト
誰でも取引価格が見れる!国土交通省「土地総合情報システム」サイト
土地や戸建て住宅を売却したい場合には、地域、物件の種類、面積などにより価格相場を知っておく必要があります。相場を知る際には、実際の事例での取引価格を知る必要があります。不動産会社の加盟する公的機関のレインズの情報システムで、一般の人が見れる部分にレインズマーケットインフォメーションがありますが、合わせて、インターネットのサイトで情報検索できるのが、国土交通省「土地総合情報システム」サイトです。このサイトでの情報がどのようなものかを紹介します。
目次
1. 国土交通省「土地総合情報システム」サイトとは
2. 国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」とは
(1)「不動産取引価格情報検索システム」とは
(2) 情報検索の仕方
(3) アンケート情報の内容、調査結果の処理
3. 「地価公示都道府県地価調査」とは
(1)「地価公示都道府県地価調査」とは
(2) 情報検索の仕方
4. レインズマーケットインフォメーション
まとめ
1.国土交通省「土地総合情報システム」サイトとは
国土交通省の「土地総合情報システム」サイトでは、「不動産取引価格情報検索システム」と「地価公示・都道府県地価調査」の2つの情報検索ができます。
「不動産取引価格情報検索システム」では、全国の主要都市を対象に、土地単価など実際に取引が行われた不動産価格を検索できます。
「地価公示・都道府県地価調査」では、標準地や基準値の土地価格の検索ができます。
*国土交通省「土地総合情報システム」
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
2.国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」とは
(1) 「不動産取引価格情報検索システム」とは
国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」とは、国土交通省が行う「取引価格情報提供制度」により情報収集が行われているものです。
「取引価格情報提供制度」とは、誰もが安心して不動産の取引を行えることを目的に、数多くの取引価格情報を個人のアンケートにより収集し、個人情報保護に留意しながらインターネットを活用して情報提供する国の制度です。
これまでに、全国の取引345万件の土地、土地と建物、区分所有建物(中古マンション等)の実際の売買価格等のデータを公表しています。
この制度は、不動産を購入した個人がアンケート回答入力した情報により成り立っている独自のものです。
実際の取引結果に基づき、全国の主要都市を対象に、土地単価や物件の種類による平均値などがわかります。
また、全ての公表データはダウンロードできます。
*国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
(2) 情報検索の仕方
情報検索の仕方は次のようになっています。
➀時期を選ぶ。
取引事例を調べたい時期を選択できます。
Web画面上の選択の場合は、取引時期は2016年1月~直近までとなっています。
ダウンロードの場合は、取引時期は2005年7月~直近までとなっています。
②種類を選ぶ。
宅地、土地、土地と建物、中古マンション等、農地、林地の種類から選択できます。
「宅地」については、さらに「宅地(土地)」、「宅地(土地と建物)」の別に表示しています。
「宅地(土地)」の取引とは、土地のみの取引をいいます。
「宅地(土地と建物)」の取引とは、土地と建物等を一括して取引したものをいいます。
③地域を選ぶ
都道府県、市町村、地区名をWeb画面上プルダウンすることにより選択できます。
また、地図画面からも検索できます。
地域は、「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」について、周辺地域の状況などを、「住宅地」、「商業地」、「工業地」、「宅地見込地」の別に表示しています。
④検索結果
上記の➀から③までを入力、選択し、検索ボタンを押せば検索結果が表示されます。
選択された件数とともに、所在地、地域、最寄り駅、取引総額、土地(面積、形状)、建物(延べ床面積、築年数、構造)、前面道路、取引時期などが表示され、詳細な取引事例を把握することができます。
・所在地
町、大字までの表示とされています。ただし、町・大字まで表示すると物件の特定が可能と思われる場合は、町・大字より広い地域単位での表示とされています。
・最寄駅
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」「中古マンション等」について、最寄りの鉄道駅の名称及び当該地から最寄りの鉄道駅(地下駅の場合には地表への出入口)までの時間距離(分)を表示しています。
・取引総額
取引の総額(万円)を表示しています(ただし、仲介手数料等の諸費用は含みません)。
・面積(㎡)
取引当事者への調査により得られた土地の実測面積(㎡)を、また、実測面積が不詳の場合には登記簿に記載されている公簿面積(㎡)を表示しています。
「中古マンション等」は、登記簿に記載されている専有部分の床面積(㎡)(壁その他の区画の内側で測定された面積)を採用しています。
・土地の坪単価
「宅地(土地)」について、土地の取引総額を土地面積(坪)で除した坪当たりの価格(万円)を表示しています。
・土地の㎡単価
「宅地(土地)」について、土地の取引総額を土地面積(㎡)で除した㎡当たりの価格(万円)を表示しています。
・土地の間口(m)
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」について、土地の接道幅(m)(土地が道路に接している長さ)を表示しています。
・土地の形状
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」について、土地のおおよその形状を「正方形」、「ほぼ正方形」、「長方形」、「ほぼ長方形」、「台形」、「ほぼ台形」、「不整形」、「ほぼ整形」、「袋地等」の別に表示しています。
・建物の延床面積(㎡)
「宅地(土地と建物)」の上物(建物)について、延床面積(㎡)を表示しています。
・建物の建築年
「宅地(土地と建物)」の上物(建物)及び「中古マンション等」の建物について、当該建物の建築年を表示しています。
・建物の構造
「宅地(土地と建物)」の上物(建物)及び「中古マンション等」の建物について、当該建物の構造を略号で表示しています。
・前面道路
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」について、土地が接面する前面道路の幅員(m)、種類、方位を表示しています。
・都市計画
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」「中古マンション等」について、都市計画法上の用途地域などを略号で表示しています。
・建ぺい率・容積率(%)
「宅地(土地)」「宅地(土地と建物)」「中古マンション等」について、指定建ぺい率(%)、指定容積率(%)を表示しています。
・取引時期
取引当事者への調査により得られた売買契約日を、また、売買契約日が不詳の場合には登記簿に記載されている登記原因日を、四半期(3カ月)単位で表示しています。
例えば、2010年(平成22年)8月の取引は「2010年第3四半期」又は「H22/7-9月」として表示しています。過去1年間分、過去2年間分の検索もでき、この場合、過去1年間分は、「2010年第3四半期(過去1年間を含む)」と表示しています。
(3) アンケート情報の内容、調査結果の処理
➀アンケート調査の意図
不動産市場の信頼性・透明性を高め、不動産取引の円滑化、活性化を図るため、国土交通省が不動産の取引当事者を対象に不動産取引のアンケート調査を実施し、その結果得られた回答などについて、物件が容易に特定できないよう加工した上で公表されています。
②調査公表時期
調査の公表は3カ月単位でとりまとめた上で、四半期ごとに行われています。
③調査の情報処理
価格については数値の丸め以外は一切補正を行っていないとしています。
不動産の取引価格は、面積や形状、前面道路の状況などの個別の要因によって変化することはもちろん、同一の不動産であっても、取引の行われた事情などにより、価格が異なることがあります。
④調査対象外の情報
不動産取引のアンケート調査は、土地及び区分所有物件の「所有権移転登記情報」をもとに実施していますが、次の取引は調査対象外としています。
a. (土地)
・調査対象地域外の取引
・調査対象面積(宅地30㎡又は60㎡、山林・農地・その他100㎡)未満の取引
・持分の一部が移転登記されたもの:共有持分の私道敷地の取引
・昭和58年(建物の区分所有等に関する法律の改正)以前に保存登記された区分所有物件の敷地の取引 等
・異なる地目を一体とした取引(「宅地+その他」、「田+畑」以外)
・1年以上前の取引 等
b. (区分所有物件)
・調査対象地域外(三大都市圏※以外の人口10万人未満の都市等)の取引
・調査対象面積(10㎡)未満の取引
・複数戸の一括取引
・敷地権の種類が所有権以外(借地権等)の取引
・昭和58年(建物の区分所有等に関する法律の改正)以前に保存登記されたもの(区分所有物件について敷地権登記がされていないもの)の取引
・持分の一部が移転登記されたもの
・リゾート会員権の取引 等
・1年以上前の取引 等
3.「地価公示都道府県地価調査」とは
(1) 「地価公示都道府県地価調査」とは
標準地や基準値の価格を検索できるものです。
*国土交通省「地価公示・都道府県地価調査」
https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0
(2) 情報検索の仕方
➀地域選択(都道府県)
Web画面上の地図で情報検索する都道府県名を1つ選択します。さらに、市区町村名を1つ選択します。
②条件指定
希望の地価情報、調査年(地価公示:昭和45年以降、都道府県地価調査:平成9年以降)などを選択します。
③検索結果
「検索」ボタンを押すと該当する地価情報が表示されます。
対象は、地価公示のみ、都道府県地価調査のみ、地価公示・都道府県地価調査の両方から選択します。
また、調査年、用途区分から選択します。
※選択しない場合は、全ての区分が検索対象となります。
・対象地域選択では、用途地域により、住宅地、宅地見込地、商業地、準工業地、工業地、市街化調整区域内の現況宅地、市街化調整区域内の現況林地(地価公示のみ)、林地(都道府県地価調査のみ)があります。
④都道府県地価調査詳細の表示
例えば次のように表示されます。
・基準地番号 旭-1
・調査基準日 令和3年7月1日
・所在及び地番 千葉県旭市(以下略)
・価格(円/m²) 21,500(円/m²)
・地積(m²) 264(m²)
・形状(間口:奥行き)(1.0:1.2)
・利用区分、構造建物などの敷地
・構造 W(木造)2F
4.レインズマーケットインフォメーション
合わせて、レインズマーケットインフォメーションについても簡単に紹介します。これについては他の記事でも紹介してあります。
レインズ(REINS)とは、国土交通大臣指定の「不動産流通機構」が運営・管理している不動産流通標準情報システムです。
レインズマーケットインフォメーションでは、全国4つの指定流通機構で構成されている全国指定流通機構連絡協議会が保有する、実際に売買が行われた物件の価格(成約価格)等の取引情報を検索することができます。
掲載されている情報は、成約時期、沿線、最寄り駅、築年、平方メートル数、間取り・成約価格等となり、個人情報の関係でマンション名や詳細な住所は掲載されていません。
また、現在販売されている不動産情報の閲覧はできません。
*レインズマーケットインフォメーション
http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
まとめ
・国土交通省「土地総合情報システム」サイトでは、国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」と「地価公示・都道府県地価調査」の2つの情報検索ができます。
・「不動産取引価格情報検索システム」では、全国の主要都市を対象に、土地単価や物件価格など実際に行われた不動産価格を検索できます。
・「地価公示・都道府県地価調査」では、標準地や基準値の価格の検索をできます。
・国土交通省「不動産取引価格情報検索システム」とは、「取引価格情報提供制度」により情報収集が行われているものです。「取引価格情報提供制度」とは、不動産を購入した個人がアンケート回答入力した情報により成り立っている独自のものです。