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おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、またその他の方法は?
おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、またその他の方法は?
おひとり様が不動産を所有している場合、どのようにしたら良いのかという問題が近年大きくなっています。単身高齢者が増えているということです。何もせずに亡くなった場合、まず葬式や納骨はどうするのかも問題です。次に相続の問題が出てきます。相続では、おひとり様の場合は、身近で付き合いのある親族の人がいない場合もありえます。法定相続人が付き合いのない親戚になってしまうこともありえます。やはり、おひとり様は自分の生前に何らかの対策を行う必要があります。どのような対策をしたら良いのかを考えます。
目次
1. おひとり様とは
2. おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、またその他の方法は?
(1) 不動産を生前売却する。
(2) 不動産を生前売却し、現金を生前贈与する。
(3) 不動産をそのまま生前贈与する。
(4) 不動産を遺贈により贈与する。
(5) 不動産を何もせずに相続する。
3. 結論としては
まとめ
1.おひとり様とは
おひとり様が、自分にもしものことがあった場合に財産をどうするか、法定相続人はいるのか、いない場合は特別縁故者など財産を相続するものがいるのかなど、さまざまな問題があります。
まず、相続におけるおひとり様は、具体的には以下のような状態を指します。
・配偶者がいない(未婚独身、死別、離別)。
・直系尊属(父母・祖父母など)がいない。
・直系卑属(子・孫など)がいない。
など
2.おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、またその他の方法は?
おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、相続したほうが良いのか?の基本的な方法とは次のようなものが考えられます。
(1) 不動産を生前売却する。
生前売却し、現金化して、現金を有効に活かす方法を考えます。
売却することで、まとまったお金が入りますので、老後の必要資金に充当することができます。まとまった資金があれば心配なく有料老人ホームなどに入ることもできます。
また、不動産を所有しなくなるので、固定資産税や修繕費用を支払う必要もなくなります。
(2) 不動産を生前売却し、現金を生前贈与する。
売却した現金を生前贈与します。贈与の対象や人数は自由です。ただし、贈与は契約ですから贈与する相手の合意が必要です。
贈与では、普通の贈与と負担付贈与があります。負担付贈与は相手に何らかの行為を求めるものです。詳細は後述します。
(3) 不動産をそのまま生前贈与する。
相続人が多い、相続人同士の仲が悪くてもめる可能性がある場合や、おひとり様で相続人でない人と同居している場合で、遺贈では相続後のトラブルが想定される場合などは自宅不動産の生前贈与が考えられます。引き継がせたい人に対して不動産を譲れるので効果的です。
また、会社経営者や個人事業主の場合、事業用資産である不動産について特定の誰かに承継させたい場合などがあります。事業用資産を残して相続が起きた場合、遺産分割が複雑化して解決が困難となり、会社や事業の遂行に著しい支障をきたすことが予想されるためです。
ただし、相続税は課税されませんが、贈与税が課税される点に注意です。
(4) 不動産を遺贈により贈与する。
遺言書により自分が死んでから贈与する遺贈になります。対象は相続人以外などの場合に有効です。また、公益団体への寄付もあります。
ただし、おひとり様の場合、身近に自分の死後の遺言を実行してくれる遺言執行者の指定や遺言信託などの利用が必要になります。
遺言執行者は、遺言内容の実現のために必要な手続をとり、遺産の管理、名義変更、引渡しなど、相続人・受遺者の方に遺産の分配を行います。
また、信託銀行の遺言信託の利用があります。
遺言信託では、遺言書作成の手伝い、遺言書の保管、遺言執行者としての遺言の執行が行われます。
遺言書の方式は、安全・確実な公正証書遺言になります。公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要です。
(5) 不動産を何もせずに相続する。
遺言書を書かない場合は、法定相続により相続されます。
➀法定相続人がいる場合
おひとり様で、配偶者・直系卑属・直系尊属がおらず兄弟姉妹がいれば、相続人は兄弟姉妹になります。兄弟姉妹が複数人の場合は、その人数で分割されます。
なお、兄弟姉妹も亡くなっている場合でも、兄弟姉妹の子(甥や姪)がいる場合は、甥・姪が代襲相続します。代襲相続とは、本来相続人となるはずだった人がすでに死亡していた場合、「代わりにその人の子や孫が相続権を得る」という制度です。
また、兄弟姉妹の相続権を代襲相続する場合は、甥・姪までの1代だけで、兄弟姉妹の孫には代襲相続されません。
②法定相続人がいない場合
法定相続人がいない場合で、遺言書で指定がない場合は、原則として被相続人の財産は「国庫」に帰属します。
ただし、同一生計の内縁の配偶者(事実婚)など一定の条件を満たした「特別縁故者」が財産分与の申し立てをすることは可能です。
3.結論としては
相続人ついては、おひとり様といえども、まず、自分の法定相続人が誰だか確認しておきます。普段から付き合いのない人しかいない場合は、法定相続は妥当な方法とは言えません。
死後の財産の処分では、遺贈が考えられます。
しかし、遺贈でも不動産のまま遺贈するのは、相続人以外で自宅に同居している人がいる場合や、事業家で経営を承継する人がいて売却ではなく、贈与するだけの意味がある人がいる場合になります。しかし、遺贈も自分で確かめることは当然できません。また、遺言通り執行されるかに不安が残ります。遺言通りに執行されるためには一定の手続きと、信頼できる遺言執行者がいなければなりません。
おひとり様は、不動産を売った方が良いのか、またその他の方法についてですが、一番自分の思い通りにするには、生前に不動産の売却をし、現金化することです。現金は自分のために使うのを基本としながらも、余裕資金があれば生前贈与することです。贈与の対象者を絞り込み対象者を決めます。
贈与では負担付き贈与の方法もあります。負担では、代表的なものは介護でしょう。介護してくれる身近な人に現金で負担付贈与をします。当然相手の合意が必要となります。また、金額により贈与税の対策もしておく必要があるでしょう。
まとめ