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離婚すると戸籍はどうなるのか?離婚歴を隠すことはできるのか?
離婚すると戸籍はどうなるのか?離婚歴を隠すことはできるのか?
離婚すると戸籍はどうなるのでしょうか?夫婦の戸籍は、筆頭者と配偶者から成り立っています。夫婦が離婚すると、氏を名乗る人の戸籍から言えば配偶者が外れることになります。その場合はどのように記載され、戸籍から外れた元の配偶者の戸籍はどうなるのでしょうか?元の配偶者が新たな戸籍を作った場合、離婚歴は戸籍上記載されるのでしょうか?経験をしないとわからない点の戸籍につき説明します。
目次
1. 離婚した場合の戸籍の記載
2. 離婚しても戸籍が移動しない人
3. 離婚したら戸籍が移動する人
(1) もとの戸籍に戻る。
(2) 新しい戸籍を作成する。
(3) 結婚した時の氏・姓を継続し使用して、新しい戸籍を作成する。
4. 離婚歴を隠したい場合は?
(1) 離婚歴を隠したい場合は、新しい戸籍を作る「転籍」を行う方法があるが?
(2) 戸籍を辿っていけば離婚の事実は隠し切れない。
5. 離婚歴がある場合の戸籍謄本の取得方法
(1) 戸籍を遡って取得し、離婚の記載を確認する。
(2) 戸籍の種類
(3) 戸籍の請求の仕方
まとめ
1.離婚した場合の戸籍の記載
夫婦が離婚した場合、戸籍筆頭者の戸籍では、配偶者欄に「除籍」と記載がされることになります。そして、除籍の理由として離婚の事実が記載されます。
一方、離婚した配偶者は、新たな戸籍を作るか、従前の両親などの戸籍に戻るか、結婚時の氏・姓を使用した新しい戸籍を作るという選択が可能です。
2.離婚しても戸籍が移動しない人
・戸籍が移動しない人は戸籍筆頭者
離婚をした場合、戸籍を強制的に移動になる人は、筆頭者ではない人になります。筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことで、氏・姓を継承している人です。戸籍筆頭者は離婚した場合でも戸籍は移動しません。自身で移動したいと望む場合は移動することはできます。その場合は転籍という形になります。
離婚した場合の戸籍の記載は、配偶者欄に「除籍」と記載され、理由として「離婚」の事実が記載されます。
3.離婚したら戸籍が移動する人
戸籍筆頭者でない・戸籍の最初に記載されていない人が離婚をした場合には、次の3パターンで強制的に戸籍が移動することになります。
(1) もとの戸籍に戻る。
もともと自身がいた両親などの戸籍に戻るというパターンになります。
戸籍の記載では、従前は両親の戸籍にいた方がほとんどですが、婚姻時にいったん両親の戸籍から出ていっているため、そこには除籍の記載がされています。再び、両親の戸籍に戻ってきたとなると除籍からの入籍になり、離婚があったのだと想像できます。
(2) 新しい戸籍を作成する。
新しい戸籍を作ることも可能です。新しい本籍地は日本であればどこでもおくことは可能ですが、1番多いパターンは、離婚した後に住む住所地におくケースになります。
新たな戸籍を作った場合は、特に離婚の事実が記載されることはありません。
(3) 結婚した時の氏・姓を継続し使用して、新しい戸籍を作成する。
離婚したとしても必ず苗字を変更しなければいけないわけではありません。結婚時に使用していた苗字を、離婚後も使うことは可能です。子供の苗字が変わるのを防ぐために結婚時の苗字をそのまま使用しようとする人が多くあります。
この場合は、元の両親などの戸籍は苗字が当然違いますので戻れません。そのため、必ず新しい戸籍を作成することになります。
4.離婚歴を隠したい場合は?
(1) 離婚歴を隠したい場合は、新しい戸籍を作る「転籍」を行う方法があるが?
どうしても離婚歴を隠したい場合は、新しい戸籍を作る「転籍」を行うことになります。
実は、本籍地を移動させた場合、除籍された者に関する記載が引き継がれることはありません。つまり、自身の戸籍に乗っていた離婚相手の名前や、両親の戸籍にある結婚前の自身の記載が消えるということです。
本籍地を移動する方法は、転籍の他にも「分籍」や「入籍」の方法もありますが、どちらも相手との合意が必要で、自分の意思だけでは実現できないことがあり、現実的かつ簡単な方法が転籍となっています。
転籍をすれば、一見しただけでは簡単には過去の離婚歴はわかりません。
(2) 戸籍を辿っていけば離婚の事実は完全には隠し切れない。
ただし、戸籍の転籍を行っても離婚歴自体が戸籍から完全に消えているわけではありません。
今ある有効な戸籍謄本を「現在戸籍謄本」といったりしますが、「除籍謄本」や「原戸籍謄本」にはそのまま離婚歴が記載されています。
「除籍謄本」とは、誰もいなくなった戸籍を言い、「原戸籍謄本」とは、戸籍の管理に関する法律が改正される前にあった戸籍を言います。これらには離婚歴が必ず記載されています。
特に、相続が発生した場合には戸籍を辿って相続人を確定させるため、その過程で過去の離婚歴が知られてしまいます。
5.離婚歴がある場合の戸籍謄本の取得方法
(1) 戸籍を遡って取得し、離婚の記載を確認する。
相続手続きなどにおいて離婚歴がある場合の戸籍謄本の取得方法と注意点について説明します。
戸籍の収集方法は、亡くなった時点の戸籍を基礎に、遡って取得をしていくことになります。そして、亡くなった人の戸籍の身分事項の箇所に、「離婚」と記載されているのを確認したら、婚姻の箇所を見ます。婚姻日が記載されているところに、「従前本籍」の記載があり、本籍地を管轄する役所に戸籍の請求をすることで取得することが可能です。
(2) 戸籍の種類
請求するときの戸籍には3つの種類があります。
①戸籍謄本
戸籍謄本とは、現在も有効なものの戸籍のことになります。
②除籍謄本
除籍謄本とは、戸籍に記載されている人が結婚や離婚・死亡などで、全員がいなくなった状態の戸籍のことをいいます。人は生まれたときには親の戸籍に入っています。そして、結婚や養子縁組などをした場合には、別の新しい戸籍を作成して別の場所に移っていきます。
親の戸籍も、離婚や転籍などをすれば別の新しい戸籍を作成して移っていきます。そのため、戸籍には誰もいなくなる状況が生まれます。戸籍に全員いなくなった、つまり除籍された状態となった「除籍謄本」になっても保管されています。
③改製原戸籍
戸籍法という法律が改正されたことにともなって新しい戸籍が作られます。この作られた新しい戸籍の前のもののことになります。読み方は「かいせいげんこせき」もしくは「かいせいはらこせき」と読みます。
(3) 戸籍の請求の仕方
戸籍の請求の方法は、本籍地を管轄する役所の窓口で請求するか郵送で請求します。請求する際に必要となるのは下記の書類になります。
①戸籍の請求用紙
②自分の顔写真付きの身分証明書(郵送で請求する場合は表と裏のコピー)
③死亡した事実がわかる書類(死亡の事実が記載された戸籍など)
④自分の戸籍謄本
⑤手数料(現金もしくは郵送で請求する場合は定額小為替)
⑥郵送で請求する場合は返信用封筒
※役所によって手続きが若干異なる場合があり請求する役所に確認してください。
まとめ
・夫婦が離婚した場合、戸籍筆頭者の戸籍では、配偶者欄に「除籍」と記載がされることになります。そして、除籍の理由として離婚の事実が記載されます。
・離婚した配偶者は、新たな戸籍を作るか、従前の両親などの戸籍に戻るか、結婚時の氏・姓を使用した新しい戸籍を作るという選択が可能です。
・離婚歴を隠したい場合は、新しい戸籍を作る「転籍」を行う方法があります。
・転籍で、本籍地を移動させた場合、除籍された者に関する記載が引き継がれることはありません。つまり、自身の戸籍に乗っていた離婚相手の名前や、両親の戸籍にある結婚前の自身の記載が消えます。
・ただし、戸籍の転籍を行っても離婚歴自体が戸籍から完全に消えているわけではありません。
戸籍を遡って入手できる除籍謄本や原戸籍謄本には離婚歴が記載されています。