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不動産の親族間売買の注意点

不動産の親族間売買の注意点

 

不動産の親族間売買は、相続対策で親から子へ不動産を譲る場合や、遺産相続のために兄弟どうしで不動産の名義を変える場合などで行われます。贈与税を避ける現実的な方法のひとつですが、注意すべき点があります。不動産の親族間売買では、親しい仲がゆえに、価格が著しく安く設定されがちであり、また、曖昧な取引内容となる可能性が高いなどの傾向があります。そのため、不動産の親族間売買では、売買をしたにもかかわらず贈与税が課税される場合があります。親族間売買の注意すべき点について説明します。

目次

1. 親族間売買とは

(1) 親族間売買とは

(2) 親族の範囲は?

2. 親族間売買と一般的な不動産売買の違いと注意点

(1) 売却価格が「著しく低い金額」の場合は「みなし贈与」と見なされることがある。

(2) 一般的に受けられる税務上の控除や特例が受けられない場合がある。

(3) 住宅ローン審査が厳しくなる。

3. 親族間売買のメリット・デメリット

(1) 親族間売買のメリット

(2) 親族間売買のデメリット

4. 親族間売買の適正価格とは?

5. 不動産の親族間売買の流れ

まとめ

 

1.親族間売買とは

 

(1) 親族間売買とは

 

親族間売買とは、個人間売買の一種で、親と子など親族の間で不動産を売買することです。

親族間売買では、不動産を贈与すると贈与者が贈与税を支払わないといけないため、売買したことにして税金を安くしようと考える可能性があると税務署から見られる恐れがあります。

 

(2) 親族の範囲は?

 

民法上の親族の範囲は、6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族です。しかし、税務署は不動産の親族間売買で確認したいことは、「みなし贈与」が発生しているか否かです。そのため、親族間売買が相続に関連している場合は、相続人に該当する親族がその範囲と考えらえます。また、不動産の売買に適用される税務上の特例を受けたい場合は、特例の定める親族の対象であるか否かに注意しています。

 

2.親族間売買と一般的な不動産売買の違いと注意点

 

親族間売買と一般的な不動産売却では、流れや支払う税金の種類などに大きな違いはありません。ただし、仲介など不動産会社との関係では不動産会社の営業活動が不要のため仲介手数料の額などに相違が生まれる可能性はあります。不動産会社との間で仲介手数料の値引きなどの交渉の余地があります。ただし、注意点では次のようなものがあります。

 

(1) 売却価格が「著しく低い金額」の場合は「みなし贈与」と見なされることがある。

 

不動産を低価格で取引すると、買い手は通常の価格で取引した場合に比べて得をしたことになります。不動産を著しく低い価格で購入したことで得をした金額は、税制上、売り手から買い手へ贈与があったとみなされます。これをみなし贈与と言い、みなし贈与があると、売買をしたにもかかわらず贈与税が課税される場合があります。

税務署では売却価格の目安につき「著しく低い金額」としていますが「著しく低い金額」の明確な規定はありません。ただ、過去の判例を参考にすれば「著しく低い金額」の目安とされているのは時価の80%程度以下です。目安を下回る金額での取引は「みなし贈与」としてみなされる可能性が高いと言えます。

 

みなし贈与については、相続税法第7条で次のように定められています。

(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合)

第7条 著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

(以下省略)

 

(2) 一般的に受けられる税務上の控除や特例が受けられない場合がある。

 

親族間売買で注意しなければならない点では、一般的な不動産売買時に適用できる税務上の控除や特例が使えない場合がある点です。

⓵売主が対象の特例
a. 居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除
b. 居住用財産を売ったときの軽減税率の特例(10年超所有軽減税率の特例)
c. 特定の居住用財産の買換えの特例(買い換え特例)
d. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

 

②買主が対象の特例
a. 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
b. 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例

 

(3) 住宅ローン審査が厳しくなる。

 

親族間売買での住宅ローン利用では審査が厳しくなる傾向があります。理由は、貸した住宅ローンが住宅の購入以外の目的(事業資金など)に使われる可能性があるからです。親子や兄弟など身近な親族が口裏を合わせて資金を流用する恐れがあるからです。住宅ローンの金利が安く設定されていることによります。大手金融機関では親族間売買は取り扱わない場合もあります。

 

3.親族間売買のメリット・デメリット

 

(1) 親族間売買のメリット

 

親族間売買のメリットでは次の点があります。

 

①安心して売買できる。

 

子供や兄弟など親族への売却であれば、愛着のある家が他人のものとなるのではないため、売却する意思も固めやすいものです。一方、譲り受ける親族も購入する家のことをよく知っているため購入しやすいと言えます。

 

②支払いや引渡しなどの条件を柔軟にできる。

 

親族間であれば前提となる信用があります。通常の不動産売買では、契約時に手付金を支払い、決済時に不動産の残代金を一括して支払うのが一般的ですが、親族間であれば柔軟な対応も可能でしょう。一括払いを分割払いにするなどです。

ただし、分割払いの場合は、利息を取らないと利息分が「みなし贈与」と見なされる可能性があります。

 

③相続対策としても活用できる。

 

相続の場合、不動産は単純な分割が難しいため相続人間のもめごとが起こりやすいものです。親族間売買では、親の存命中に行え、しかも適正な価格で買い取るというのであれば、他の相続人も納得できる可能性が高くなります。

 

(2) 親族間売買のデメリット

 

親族間売買のデメリットには次のような点があります。

 

①「みなし贈与」と疑われやすい。

 

みなし贈与と判断されると、高額な贈与税を支払わなければならなくなります。

 

「著しく低い価格」の目安である時価の80%を下回っている場合などが当たります。見なし贈与と見なされた場合は、時価との差額に贈与税がかかります。

 

贈与には特例贈与財産・一般贈与財産の2種類があり、特例贈与財産とは自身の両親や祖父母といった直系尊属からその成人した子供・孫といった直系卑属に対して贈与をした財産のことで、一般贈与財産とは特例贈与財産以外のその他大部分に該当します。

 

特例贈与財産の贈与税は、基礎控除後の課税財産が600万円超1000万円以下の場合は30%、1000万円超1500万円以下の場合は40%、1500万円超3000万円以下の場合は45%などと決められ比較的高額です。さらに、贈与税は基本的には一括で納めなければなりません。

 

②税務上の各種特例控除が適用されない可能性がある。

 

一般的な不動産の売買では、税務上の特例や控除を受けることができる場合でも、親族間売買では、適用対象外となるケースがあるため注意しなければなりません。

 

売主側が受けられる特例は親族間売買では適用できない場合があります。

取り引きの相手が以下のような特殊関係者にあたる場合には、特例の適用を受けられないことになっています。

・買主が売主の配偶者及び直系血族
・買主が売主の親族でその個人と生計を一にしているもの、及び、買主が売主の親族でその譲渡にかかる家屋の譲渡がされた後その家屋に居住するもの

 

親族間売買でも、例えば親名義の家をその子である娘の配偶者である夫が購入するなどの場合には上記の規定にあたらず、売主である親は「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除」の適用対象になります。

 

③住宅ローンが利用しにくい。

 

住宅ローンを利用して借りた融資を事業資金など別の用途で使用する恐れがあることなどのため、親族間売買では融資の審査が厳しくなります。住宅ローンの申し込みをしても審査で落ちるケースがあります。

 

4.親族間売買の適正価格とは?

 

親族間売買で贈与税が課税されないようにするには、第三者との取引による通常の売買価格に準じた適正価格で売買する必要があります。

税務署の適性価格の規定はありませんが、実務上よく行われる対応としては、路線価があります。路線価をそのまま使う考えもあります。また、路線価を1.25倍して(80%で割り戻して)適正価格を求めることもあります。この対応は、路線価が地価公示価格等の80%で定められていることを根拠にしたものです。

 

より正確には不動産鑑定士による価格査定もありますが、不動産鑑定士への費用がかかります。

 

5.不動産の親族間売買の流れ

 

不動産の親族間売買をスムーズに行うには、取引の流れを把握しておくことも大切です。

親族間で不動産売買をする際の大まかな流れは、次の通りです。

 

①不動産の現状を確認する。

 

登記事項証明書の内容の確認をします。

・現在の所有者は誰か

以前の相続時に名義変更していないなど、現在の所有者が名義と一致していない場合は名義変更が必要になります。

・抵当権は設定されていないか

ローンの返済が残っていて抵当権が設定されている場合は、売買前に完済して抵当権抹消する手続きが必要です。

 

②所有している不動産の相場価格を調べる。

 

③不動産売買の条件を決める。

 

不動産の売買では、取引にあたって不動産の売買金額だけではなく、親族間であっても、決済・引き渡しの時期、税金など清算する金銭などを定めておく必要があります。

 

④売買契約書を作成し決済する。

 

必要な書類をそろえ、双方が売買条件に合意できたら、売買契約を結び契約書を作成します。親族間の売買では特に売買契約書を作っておくことが税務署の調査にも対応でき重要です。

決済後は、必要書類を揃えて名義変更・所有権移転登記を行います。登記自体は後日でも大丈夫です。登記申請については司法書士に依頼するのが一般的です。

 

まとめ

 

・親族間売買とは、個人間売買の一種で、親と子など親族の間で不動産を売買することです。

・親族間売買と一般的な不動産売買の違いと注意点には次のような点があります。

①売却価格が「著しく低い金額」の場合は「みなし贈与」と見なされることがある。

②一般的に受けられる税務上の控除や特例が受けられない場合がある。

③住宅ローン審査が厳しくなる。

・親族間売買のメリットでは次の点があります。

①安心して売買できる。

②支払いや引渡しなどの条件を柔軟にできる。

③相続対策としても活用できる。

・親族間売買のデメリットには次のような点があります。

①「みなし贈与」と疑われやすい。

②税務上の各種特例控除が適用されない可能性がある。

③住宅ローンが利用しにくい。

・親族間売買の適正価格では、目安として市場価格の80%程度までが目安と言われています。税務署の適性価格の規定はありませんが、実務上よく行われる対応としては、路線価があります。

・不動産の親族間売買の流れでは次のような点があります。

①不動産の現状を確認する。

②所有している不動産の相場価格を調べる。

③不動産売買の条件を決める。

④売買契約書を作成し決済する。

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