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土地の公簿売買と実測売買の違いとは PART2
土地の公簿売買と実測売買の違いとは PART2
(PART1より)
目次
1. 土地の公簿売買と実測売買とは
(1) 公簿売買とは
(2) 実測売買とは
2. 公簿売買によって発生しがちなトラブル
(1) 契約当事者が公簿売買の意味やリスクを十分に理解していない場合や、実測によって判明した面積の誤差が、当事者の予想を超えて許容できないほど大きい場合
(2) 2005(平成17)年3月以前の測量の場合は要注意
(3) 隣地との境界確定の必要性のある場合
3. 公募売買を選択する理由
4. 測量が必要なケース
まとめ
3.公簿売買を選択する理由
公簿売買にはデメリットが存在しますが、それでも実務上では公簿売買による取引が行われています。公募売買を選択する理由としては次のようなことが挙げられます。
➀急いで取引をしたい場合
すぐにでもその土地を買いたいという場合、実測売買による取引だと測量が完了するまでに時間がかかってしまいますが、その点、公簿売買の場合には測量にかかる時間が省けるので決済までが早いという点です。
②信頼できる測量図がある場合
測量図には「現況測量図」、「地積測量図」、「確定測量図」の3種類があります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
a. 現況測量図
隣地所有者の立会いはせずに測量をしたものです。よって、境界確定をしないで測量をしているため、実際の信用度としてはあまり高くありません。建物を新築する際などの最初の現況確認のときに使用されることが多い測量図です。
b. 地積測量図
法務局に登録されている測量図です。隣地所有者の立会いをもとに境界確認をおこなって測量図を作成していますが、境界確認書(隣地所有者が署名押印したもの)は付いていないため強い信用度は高くはありませんが、一定の信用度はあると考えてよいでしょう。また、作成された年月日によっても信用度が異なってきます。なお、地積測量図は必ず登録されているわけではありませんが、過去に土地の分筆などがおこなわれている場合には登録がされています。
・2005(平成17)年4月以降作成:信用度高い
・1993(平成5)年~2005(平成17)年3月作成:一定の信用度あり
・1993(平成5)年以前作成:信用度弱い
c. 確定測量図
隣地所有者立会いのもとに測量をおこない境界確定をした測量図です。後々のトラブルを避けるために境界確認書を作成します。自分の土地と接している隣地が多いほど、測量の手間と費用、時間も掛かりますが信用度は高いです。
確定測量図は隣地所有者と境界確定をした上で測量をした測量図ということで、非常に信用度が高いものです。隣地との境界確認書も作成しているため、後々、隣地所有者ともめることもありません。
③実測することが現実的ではない場合
土地が広大な山林や農地などの場合には、実際に測量をするとなると費用が莫大な金額になってしまいます。そのため、公簿売買による取引をおこなうのが一般的となっています。
4.測量が必要なケース
法律上は測量の必要性はありませんが、以下のようなケースの場合は注意が必要で、売却後のトラブルを避けるためにも測量をすることが適切です。
➀境界に塀やフェンス、杭などの目安がない場合
宅地や田・畑などの土地を売却する際に、どこまでが所有する土地で、どこからが自分の土地ではないのか明確に判断できる基準がない場合や、登記した時と土地の使われ方が変わっている場合には測量が必要です。また公共道路との境界があいまいな場合は官民境界査定をしなければなりません。
②面積が登記簿記録と現況で大きく異なる場合
測量をしないで売買する公簿売買の場合では、登記簿に記録された土地の面積にそって価格を決定します。そのため明らかに現況の土地面積と異なる場合は、測量し正しい土地面積を把握します。
③高額な土地の場合
地価が高額な場合、少し土地面積が違うだけでも大きく売買の金額が変わってきます。こうした土地では事前に測量し、売主と買主の間で納得が生まれるようにしておく必要があります。
④相続税を不動産売買の物納で納める場合
相続税を物税するには、境界が明確で隣地の所有者とも境界の確認が得られている土地である必要があります。基本的には相続税を不動産で納める物納の際には測量が必要になります。
⑤分筆して土地を売却する場合
一つの土地を複数にわけて売却する場合は、分割する土地の境界が確定しないと分筆の手続きが取れないため測量が必要になります。
まとめ