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銚子市の醤油醸造

銚子は漁業だけでなく、醤油の町としても発展しました。銚子醤油が発展した条件として、気候や地理的条件が関係し、沖合で黒潮と親潮が交わる銚子の気候は、夏冬の気温差が少ない温暖多湿で、醤油醸造の麹菌や酵母に適していました。原料は常陸の大豆、小麦が入手し易い位置にあり、大消費地の江戸の町へ利根川、江戸川の水運を利用して醤油を運ぶことができその後の発展につながりました。

1.日本の醤油の誕生

 

(1) 醤油のルーツは発酵食品の「醤(ひしお)」

発酵調味料の醤油は日本で発展しましたが、ルーツは中国の「醤」だといわれています。その歴史は古く、紀元前700年ごろの中国の古文書「周礼(しゅうらい)」に記録が残っています。

 

醤は日本でも古くから作られていましたが、大和朝廷のころに醤の製法が中国から伝わり、本格的に作られ始めたといわれています。日本では、魚や肉に塩を掛けた「魚醤(うおびしお)」や「肉醤(ししびしお)」、野菜・果物などを原料にした「草醤(くさびしお)」が作られていました。奈良時代になって、中国や朝鮮半島から穀物を原料にした「穀醤(こくびしお)」が伝わりました。日本の醤と区別するために、中国から伝わったものは「唐醤(からびしお)」、朝鮮半島から伝わったものは「高麗醤(こまびしお)」と呼んでいました。

 

(2) 味噌から分離した「たまり」が醤油になっていった。

中国から伝わった唐醤は、大豆が原料だったと言われています。大豆を原料にした醤は、醤になる前に食べたところ美味しかったことから「未醤(みしょう)」と呼ばれ、のちに「味噌」となりました。また、醤油という言葉は、食材に塩を掛けて発酵させた「醤」から分離された「油」のような液体の意味です。

その後、味噌から分離した「たまり」が醤油になっていったと推測されます。

 

(3) 醤油の生産が盛んになるのは江戸時代

寿司、天ぷら、蒲焼きが完成するのも江戸時代で、醤油は食文化の発展にも関わっています。

 

江戸時代初期頃までは、関西地方が食文化の中心でした。そのため、醤油醸造も、兵庫県の龍野、和歌山の湯浅、香川の小豆島などで発達しており、上質な醤油が造られていました。

 

(4) 濃口醤油が関東で造られる。

江戸時代初期まで、醤油の原料として使われていたのは大豆と大麦でしたが、江戸時代中期頃から、大麦に変わって小麦が使われるようになりました。そこから、現在の濃口醤油に近い風味の醤油が出来上がったと言われています。千葉県の野田、銚子などが、関東の醤油製造の中心地となっていきます。江戸の人々の嗜好に合わせて作られた濃口醤油は、爆発的に関東地方に広がっていきました。

 

2.醤油の紀州から銚子への流れ

 

現在の醤油の元となるものを作ったのは、鎌倉時代、紀州由良(現在の和歌山県日高郡)の興国寺の僧であった覚心だといわれています。覚心が中国で覚えた径山寺味噌(現在の金山寺味噌)の製法を紀州湯浅の村民に教えている時に、仕込みを間違えて偶然出来上がったものが、今の「たまり醤油」に似たものだったと言われています。16世紀中ごろには大坂などに出荷され、江戸時代には紀州藩の特別な保護もあって90軒を超える醸造家が現れ「湯浅醤油」の名声は不動のものとなりました。

ヤマサ醤油を創業した初代濱口儀兵衛は、醤油発祥の地である紀州湯浅の隣りの広村(現広川町)の出身で、濱口家の家長は代々、紀州広村にある本家と銚子を行き来していました。

 

3.ヤマサ醤油とヒゲタ醤油のはじまり

 

初代濱口儀兵衛が紀州から銚子に渡り、ヤマサ醤油を創業したのは1645年(正保2年)です。屋号は山笠にキを横向きとしたサにし「ヤマサ」とした。

 

以来、ヤマサ醤油は創業から3世紀半以上、12代に渡り品質の高い醤油を作り続けています。

 

明治時代に入り、1895年(明治28年)に、ヤマサ醤油は関東初の宮内省御用達に選ばれました。その後、醤油研究所を設立し醤油醸造を科学的に解明していきました。

 

1914年(大正3年)に、田中家と濱口家と深井家の3家が三蔵合弁して銚子醤油を設立しました。

 

濱口儀兵衛商店は1928年(昭和3年)株式会社設立、社名をヤマサ醤油株式会社としました。その後、ヤマサ研究所は、1955年(昭和30年)鰹節のうま味成分が、イノシン酸であることを発見、1957年(昭和32年)椎茸のうま味が成分グアニル酸であることも発見しました。

 

一方、銚子醤油は1937年に野田醤油と資本提携しました。銚子醤油は、1976年(昭和51年)にヒゲタ醤油株式会社に社名変更しました。

 

4.ヤマサ醤油株式会社

 

(1) 歴史

初代儀兵衛の後、5代目灌圃の孫にあたる梧陵が、7代目濱口儀兵衛を襲名しました。梧陵は1820年(文政3年)に生まれ、1853年(嘉永6年)に家督を相続し、幕末の風雲の中で家業を守りました。ヤマサ醤油7代目という実業家としての活躍のみならず、私欲を顧みない社会福祉事業や政治活動に心血を注ぎ、近代日本の発展に大きな足跡を残しています。

 

1858年(安政5年)、江戸(神田お玉ヶ池)にある種痘所が火災にあい、焼け落ちたときは300両を寄付し再建を支援しました。また、濱口梧陵傳によると、図書及び機械類の購入費のため更に400両を寄付し、その種痘所はのちに西洋医学所と称し江戸唯一の西洋医学研究所となりました。(現在の東京大学医学部の基礎となる)

 

1864年(元治元年)、ヤマサ醤油が幕府より特に品質に優れた醤油として認められ、最上醤油の称号を得たのも梧陵の時代です。

また、これからは日本も洋食の時代が来るとして、8代儀兵衛(梧荘)は国産ソース第一号のミカドソースを作り米国に輸出しましたが、これは常に海外に目を向けていた梧陵の志を継いだ功績です。

 

10代目儀兵衛(濱口梧洞)は、工程と事業の近代化に努め「醤油王」と呼ばれました。

 

(2) 沿革

1645年(正保2年)  創業

 

1928年(昭和3年)  株式会社組織に改組

 

1957年(昭和32年) リボ核酸分解法による調味料製造法を発明

 

1970年(昭和45年) 医薬品製造業の許可取得

 

1986年(昭和61年) 体外診断用医薬品「C-AMPキット」「PTHキット」製造・販売を開始

 

1992年(平成4年)   YAMASA CORPORATION U.S.A. 設立

 

1994年(平成6年)   アメリカ工場(オレゴン州)完成

 

1999年(平成11年)  特別注文品新工場竣工(現株式会社ヤマサORM)

 

2000年(平成12年)  ISO 9001:2000認証取得

 

2002年(平成14年)  醤油工場設備更新(スーパーステンレスタンク増設)

 

2004年(平成16年)  SAN-J INTERNATIONAL, Inc. を買収

 

2005年(平成17年)  サンジルシ醸造株式会社の営業譲受

 

2011年(平成23年)  成田工場竣工(株式会社ヤマサ成田工場)

 

2015年(平成27年)  Yamasa Europe B.V.を設立

 

2016年(平成28年)  YAMASA ASIA OCEANIA CO. LTD.を設立

しょうゆ味わい体験館オープン

 

2018年(平成30年)  FSSC22000認証取得

 

(3) 会社概要

  • ・本社所在地:〒288-0056 千葉県銚子市新生町2-10-1
  • ・代表者:代表取締役会長 濱口道雄  代表取締役社長 石橋直幸
  • ・創業:正保2年(1645年) 設立:昭和3年(1928年)11月

 

5.ヒゲタ醤油株式会社

 

1616年(元和2年)、田中玄蕃が銚子の地にしょうゆ業を創業した当時のマークは、田中家の屋号「入山田」でした。

 

(1) ヒゲタ印の由来

「田」の端に「ヒゲ」がついた理由としては2説あります。

 

●田中玄蕃の夢枕に「ヒゲ」の仙人が現れ、醤油づくりに適した水源を教えてくれたため、その仙人に感謝の意を込めてヒゲをつけたとする説

 

●元禄(1688~1704年)頃、「入山田」のマークを書いていた際、「田」の上端から墨汁が垂れてヒゲのようになり、他の端も同じようにしたらおもしろい図案になったので、以後もこれを用いるようになったとする説

 

いずれにしても、「田」にヒゲがついてから「ヒゲタ」と呼ばれるようになりました。

 

また、左上の「上」のマークは、江戸末期の1864年(元治元年)、物価高に悩んだ幕府が市場に値下げ命令を出した際、ヒゲタを含む銚子と野田の7銘柄に対して「最上醤油」という名称とともに従来の価格で販売することが許されたとされ、そのお墨付きとされています。

品質を約束する目印として、今も受け継がれています。

 

(2) キッコーマンとの提携

ヒゲタは、1937年(昭和12年)には野田醤油株式会社(現キッコーマン株式会社)と資本提携を、1966年(昭和41年)には販売委託契約を結びました。

 

キッコーマングループが世界規模で事業を展開している中、ヒゲタ醤油は「キッコーマングループ内での国内和風調味料の製造」をドメインとして、業務用・加工用の分野を中心に開発と製造に注力し、キッコーマン社に販売を委託しています。

 

(3) 沿革

1616(元和2年)     第三代田中玄蕃が、銚子でたまりしょうゆの製造販売を開始(ヒゲタ醤油の創業)

 

1697(元禄10年)     現在のヒゲタ濃口しょうゆの原形となる醸造法に改良

 

1801(享和元年)      伊能忠敬が付近の海岸の測量の為、田中玄蕃家に滞在

 

1864(元治元年)       江戸幕府が醤油七印に対して値下げを免除(最上醤油の名称が生 まれる)

 

1888(明治21年)    銚子醤油同業組合設立

 

1900(明治33年)    宮内省御用達を拝命

 

1906(明治39年)    イタリア・ミラノ万国博覧会にて、ヒゲタ醤油が最高名誉大賞を受賞

 

1911(明治44年)    御用醤油醸造蔵建設し、蔵内に高倍(たかべ)神を奉祀

 

1914(大正3年)      田中家(ヒゲタ印)、深井家(カギダイ印)、濱口家(ジガミサ印)の三家により銚子醤油合資会社設立

 

1918(大正7年)      銚子醤油株式会社設立(ヒゲタ醤油株式会社の創立)初代社長初代濱口吉兵衛

 

1930(昭和5年)     第五工場(現・銚子工場)、鉄筋コンクリート造りの新工場完成

 

1937(昭和12年)    野田醤油株式会社(現・キッコーマン)と資本提携

 

1939(昭和14年)    本店を東京に移転

 

1941(昭和16年)    他社との共同出資で宝醤油工業株式会社を設立

 

1947(昭和22年)    野田醤油株式会社と経営分離

 

1953(昭和28年)    第一回朝日広告賞受賞

 

1966(昭和41年)    キッコーマン株式会社に販売を委託

 

1976(昭和51年)    ヒゲタ醤油株式会社に社名変更

 

1985(昭和60年)    銚子工場にヒゲタ史料館をオープン

 

1988(昭和63年)   「本膳」発売

 

1992(平成4年)    「玄蕃蔵」発売

 

1997(平成9年)    「高倍」奉納開始

 

2003(平成15年)    波崎プラント開設

 

2004(平成16年)    キッコーマン株式会社と資本提携

ISO14001取得(東京本社、銚子工場地区、銚子事務所地区、波崎プラント)

 

2007(平成19年)     ISO9001取得(東京本社、銚子工場地区、銚子事務所地区、波崎プラント)

 

2013(平成25年)    「本膳200ml密封ボトル」発売

 

2016(平成28年)     創業400周年

 

2018(平成30年)     株式会社設立100周年

 

2019(令和元年)      FSSC2200取得(銚子工場)

 

 

(4) 会社概要

・本社所在地:〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町2-3

・銚子工場:〒288-8680 千葉県銚子市八幡町516

・代表取締役社長 加瀨泰美

・創業:元和2年(1616年) 設立:大正7年(1918年)

 

 

醤油は銚子だけでなく、同じ千葉県の野田でも発展してきました。野田は東に利根川、西に江戸川が流れ、両川に挟まれていて、江戸時代、大消費地の江戸に出るには、朝、野田を発って江戸川を下ると、昼には日本橋に着いているという、産業地としての立地条件にめぐまれた位置にありました。野田醤油はキッコーマンと名前を変え今日に至っています。銚子ではヤマサ醤油が今日でも銚子に本社を置き醤油専業メーカーとして活躍しています。ヒゲタ醤油はキッコーマンと資本、販売提携しキッコーマングループとしての生き方を選びました。

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