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令和5年民法改正!「遺産共有関係の解消」のための遺産分割の見直し

令和5年民法改正!「遺産共有関係の解消」のための遺産分割の見直し

 

遺産分割で不動産を相続人の共有とする場合が多くあります。法定相続での協議が調わない場合や、遺産分割協議が長引き相続税の申告期限に間に合わなかった時に暫定的に行う場合などです。しかし、不動産の共有は、期間的な制限なく継続し、時間が経つと相続人が増えたり不明になったりします。また、共有関係は共有者全員の合意がないと売却などができないため、課題の先送りとなる問題があります。そのため「遺産共有関係の解消」のため遺産分割制度の見直しにより民法改正が行われました。この部分の施行は2023(令和5)年4月1日です。その内容について紹介します。

目次

1. 遺産共有関係の解消の必要性

(1) 遺産共有関係の問題点

(2) 遺産共有関係に関する考え方

2. 遺産共有関係の解消のための民法改正

(1) 民法改正の概要

(2) 遺産分割遺産共有の解消方法

(3) 具体的相続分による遺産分割の時間的限界

まとめ

 

1.遺産共有関係の解消の必要性

 

相続が開始して、相続人が複数いると、遺産(相続財産)に属する土地や建物、動産、預金などの財産は、分割協議の決定が無ければ原則として相続人により共有(遺産共有)されます(現民法第898条)。しかし、遺産共有関係には次のような問題点があります。

 

(1) 遺産共有関係の問題点

 

遺産共有関係には次のような問題点があります。

 

・遺産共有関係にあると、各相続人の持分権が互いに制約し合う関係に立ち、遺産の管理に支障を来す事態が生ずる。
・遺産分割がされないまま相続が繰り返されて多数の相続人による遺産共有関係となると、遺産の管理、処分が困難になる。
・相続人の一部が所在不明になり、所有者不明土地が生ずることも少なくない。

(2) 遺産共有関係に関する考え方

 

遺産共有関係に関する考え方、対処の考え方は次のようなものです。

 

・遺産共有関係は、本来、遺産分割により速やかに解消されるべき暫定的なものであること
・遺産分割による遺産共有関係の解消は、所有者不明土地の発生予防の観点からも重要

 

2.遺産共有関係の解消のための民法改正

 

(1) 民法改正の概要

 

①具体的相続分による遺産分割に、時間的限界を設けることによる遺産共有関係の解消の促進・円滑化(改正民法第904条の3)
②相続開始後長期間が経過し、通常共有持分と遺産共有持分が併存する場合の分割方法の合理化(改正民法第258条の2)
③相続開始後長期間が経過し相続人の所在等が不明な場合の、不動産の遺産共有持分の取得方法等の合理化(改正民法第262条の2、第262条の3)

 

などがあります。

民法改正により次のような効果が期待されています。

 

・具体的相続分による分割を求める相続人に、早期の遺産分割請求を促すこと
・具体的相続分による分割の利益を消滅させ、画一的な割合である法定相続分を基準として円滑に分割を行うこと

(2) 遺産分割遺産共有の解消方法

 

現行法では民法第906条以下次のような方法があります。

 

①遺産分割協議(合意)又は家庭裁判所の遺産分割審判・調停による。
②遺産分割の基準は、法定相続分又は指定相続分ではなく、具体的相続分の割合による。
・法定相続分―民法であらかじめ定められている画一的な割合
・指定相続分―遺言により被相続人等が指定した割合
・具体的相続分

具体的相続分とは、法定相続分・指定相続分を事案ごとに下記の方法で修正して算出する割合です。

 

*個々の相続人の具体的相続分={みなし相続財産の価額(相続財産の価額+特別受益の総額-寄与分の総額)×法定相続分又は指定相続分}-個々の相続人の特別受益(生前贈与等)の価額+個々の相続人の寄与分の価額

 

*具体的相続分の割合(具体的相続分率)

=各相続人の具体的相続分の価額の総額を分母とし、各相続人の具体的相続分の価額を分子とする割合

 

(3) 具体的相続分による遺産分割の時間的限界

 

①問題の所在

 

・具体的相続分の割合による遺産分割を求めることについては、時間的制限がなく、長期間放置をしていても具体的相続分の割合による遺産分割を希望する相続人に不利益が生じないこと

→相続人が早期に遺産分割の請求をすることについてインセンティブが働きにくい。

 

・相続開始後遺産分割がないまま長期間が経過すると、生前贈与や寄与分に関する書証等が散逸し、関係者の記憶も薄れること

→長期間になると、具体的相続分の算定が困難になり、遺産分割の支障となるおそれがある。

 

②改正法

 

a. 原則

「相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分ではなく、法定相続分(又は指定相続分)による。」(改正民法第904条の3)とされました。

 

b. 例外(引き続き具体的相続分により分割)

(イ)10年経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をした時

(ロ)10年の期間満了前6カ月以内に、遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由※が相続人にあった場合において、当該事由消滅時から6カ月経過前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をした時

 

※被相続人が遭難して死亡していたが、その事実が確認できず、遺産分割請求をすることができなかったなど。

 

③10年経過後の法律関係

 

a. 分割方法は遺産分割(共有物分割ではない)

 

10年経過により分割基準は法定相続分等となりますが、分割方法は基本的に遺産分割であって、共有物分割ではありません。

 

【分割基準以外の遺産分割の特徴】

・裁判手続は家庭裁判所の管轄
・遺産全体の一括分割が可能
・遺産の種類、性質、各相続人の状況等の一切の事情を考慮して分配(民法第906条)
・配偶者居住権の設定も可能
b. 具体的相続分による遺産分割の合意は可能

 

10年が経過し、法定相続分等による分割を求めることができるにもかかわらず、相続人全員が具体的相続分による遺産分割をすることに合意したケースでは、具体的相続分による遺産分割が可能です。

 

まとめ

 

・遺産共有関係の問題点には次のような点があります。
①遺産共有関係にあると、各相続人の持分権が互いに制約し合う関係に立ち、遺産の管理に支障を来す事態が生ずること
②遺産分割がされないまま相続が繰り返されて多数の相続人による遺産共有関係となると、遺産の管理・処分が困難になること
③相続人の一部が所在不明になり、所有者不明土地が生ずることも少なくないこと
・民法改正の概要は次のような点です。
①具体的相続分による遺産分割に時間的限界を設けることによる遺産共有関係の解消の促進・円滑化
②相続開始後長期間が経過し、通常共有持分と遺産共有持分が併存する場合の分割方法の合理化
③相続開始後長期間が経過し相続人の所在等が不明な場合の、不動産の遺産共有持分の取得方法等の合理化

これについては、原則として、「相続開始(被相続人の死亡)時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分ではなく、法定相続分(又は指定相続分)による」とされました。

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