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テレワークの普及で空地・空き家の郊外物件売却のチャンス
―東京からの転出が増え郊外物件に関心がー
コロナ禍において、三密を避け、自宅やオフィス以外の場所で働くテレワークを導入した会社が増えています。テレワークの導入については政府も自治体も提唱し、働き方改革と結びつきテレワークの浸透は、コロナ終息後も一定程度変わらないと考えられています。オフィスでは高額な都心の物件での空室率が増え、オフィスの縮小、移転も生まれています。住宅についても郊外物件や地方への移住への関心も高まっています。テレワークでは週1・2回など定期的に出勤の必要性がある場合も多く、都心40~50kmの郊外圏の関心が高まり、使わなくなった親の実家で空き家になっているものなどに売却のチャンスが広がっています。
目次
1.東京の転入転出人口の変化
2.テレワークの定着化
3.テレワークによる郊外物件の市場拡大
4.郊外物件のある地域の情報の発信も
まとめ
1.東京の転入転出人口の変化
・コロナで激変!東京23区の人口流出が続く。
総務省が2021年1月29日に発表した「住民基本台帳人口移動報告 2020年(令和2年)」によると、2020年7月、8月、11月、12月において東京都は転出者が転入者を上回る「転出超過」になりました。これは2013年7月以降7年ぶりです。
2020年全体で見ると転入超過の状況で流入自体は年間を通してみると変わっていませんが、東京一極集中は緩和されつつある状況と言って良いでしょう。
参考:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2020年(令和2年)結果」
2.テレワークの定着化
コロナでもっとも大きく変化したのは働き方です。テレワークを導入する会社が増え、毎日通勤しなくても仕事ができる環境が整いつつあります。このままテレワークが定着すれば、ワークスペース、インターネット環境、遮音性の高さなどが、住まい選びの重要な要素になっていく可能性があります。
ただし、テレワーク化を実施している企業は増えてはいますが多数ではないこと、またコロナ後テレワークから通常の勤務形態に戻す企業もあることに検討余地があります。ただし、働き方改革の意識は明確に進んでおり、今後もテレワークは徐々に定着化していくものと予想されています。
働き方改革では、政府は週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者の10%以上にすることを目標にテレワークを推進しています。
3.テレワークによる郊外物件の市場拡大
(1) 通勤圏の拡大
コロナ前、通勤圏と言えば、会社まで60分くらいの範囲を指していましたが、テレワークが定着すると、通勤圏は90分程度まで拡大するのではないかと思われます。出社回数が少ない仕事では2時間程度まで拡大する可能性もあります。
通勤の自由度が高まれば高まるほど、座って快適に通勤できる始発駅や指定席列車の停車駅が人気になる可能性があります。
(2) 自然環境と利便性を両立した郊外エリア
都心から50キロ前後のターミナル駅(特急停車駅や始発駅)では、再開発により新しい商業施設やホテルなどが続々と誕生しています。ターミナル駅は、通勤の利便性が顕著で、行政機関や子育て施設、学校や文化施設なども集積し、生活者にとって利便性のある地域になっています。
一方、自然環境に恵まれ、大きな公園やレジャー施設などもある場合も多く、自然環境と都市の利便性の双方がある場合もあります。
(3) 都心部の不動産価格の高騰と郊外物件の価格の魅力
都心部の不動産価格は高止まりの状況が続いています。こうした中、郊外の一戸建は都心部の3,000万円台で買える物件も多く価格の魅力があります。
(4) 部屋や土地の広さへのニーズ
都心部の価格高騰によりマンションの面積縮小傾向があります。一方、テレワークでは自宅に独立したワークスペースを求め、プラス1部屋のニーズは高まっています。郊外物件は広さの面でもニーズの受け皿となりえます。
4.郊外物件のある地域の情報の発信も
郊外物件への関心の高まりはありますが、買い手にとって今まで縁のない地域への住み替えでは不安があるものです。また、どの地域に住むかではきっかけとなる情報が必要です。地域の情報では次のような点があり、物件の売却でも必要な付帯情報となります。
(1) 地域生活情報の発信
・消費生活情報
・教育情報
・医療施設情報
・公園などの施設情報
(2) 自然環境情報
地域によっては自然環境が住み替えの選択ポイントになります。また、海が近いなども魅力になります。
(3) 地方自治体の移住者支援情報
地域によっては移住者の拡大に努めている地方自治体もあり、移住者支援の制度が設けられている場合もあります。
住宅の新築、空き家のリフォームなどでの助成金制度がある場合などです。
また、自治体によってはお試し移住の支援がある場合もあります。
まとめ