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更地化する場合の建物解体費、庭木の伐採費
更地化する場合の建物解体費、庭木の伐採費
戸建ての古家を解体して更地にする場合、一般的には業者に解体工事を依頼します。また、解体後の廃材の搬出や処分もあります。さらに、庭に庭木、立木があれば伐採、伐根も必要になってきます。こちらも同様に処分の問題があります。これらの内容と費用の目安について紹介します。
目次
1. 建物の解体費について
(1) 大まかな解体費用の目安
(2) 建物の構造による目安
(3) 建物の広さ、階数、地下階による加算
(4) 付帯工事がどのくらい必要か
(5) 廃材がどのくらい出るか
(6) 重機が入れるかどうか
2. 庭木の伐採、伐根の費用について
(1) 抜根や整地をすると追加費用がかかる。
(2) 庭木の高さ
(3) 重機の使用
(4) 伐採後にかかる処分費
(5) 費用の計算方法の例
まとめ
1.建物の解体費について
(1) 大まかな解体費用の目安
一般的な30坪の木造の家の場合、古い家を更地にする解体費用の相場は約90万円~150万円程です。解体費用の平均は120~130万円と考えていいでしょう。
(2) 建物の構造による目安
建物の解体費用は建物の構造によって変わります。基本的には固い構造体でできている建物ほど、解体費用の単価は高くなります。重機や職人の人数が必要になるなど、工事の手間が増えるからです。
木造なら3万~5万円/坪、鉄骨造なら4万~6万円/坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なら5万~8万円/坪程度が目安です。
さらに使用されている建材もポイントになることがあります。
建材によって廃棄代や壊し方が変わってきますし、壊しにくい建材であるほど労力を要するのでその分費用が高くなります。
(3) 建物の広さ、階数、地下階による加算
面積が広ければ当然コストが上がっていきます。
さらに2階建てなどの場合は壊す面積と手間が増えるので費用が割高になります。
地下室など地下階の解体費用は、場合によっては特殊な重機や埋め立てる作業が必要になることもあり、地階の解体費用は地上階の倍以上になる場合もあります。
(4) 付帯工事がどのくらい必要か
古い家を更地にする際の解体費用は、付帯工事がどのくらい必要かによっても左右されます。付帯工事とは玄関アプローチや駐車場、庭などの解体工事のことです。
解体箇所による費用の目安の参考例は下記のようなものです。
・カーポート撤去 6万円~
・ブロック塀撤去 5,000~1万円/㎡
・門扉の撤去 2万円~
・倉庫、物置の撤去 3万円~
(5) 廃材がどのくらい出るか
廃材は木材、金属、コンクリートなどに分別して運びださなければなりません。この処理に費用がかかります。年々産業廃棄物処理や不法投棄の対策が強化されてきているため、解体現場では手作業での分別作業が行われていてコストアップにつながっています。
多様な建材を使っている建物であればあるほど分別の手間が増えます。
(6) 重機が入れるかどうか
工事のための車両や重機が入りやすいか入りにくいか、住宅密集地かどうかといった近隣の状況などによっても単価は変動します。重機が入れない道路事情などの場合は手作業で解体をすることがあり費用が多くかかります。
2.庭木の伐採、伐根の費用について
庭木の伐採と一口にいっても、木の大きさ・太さ、木の種類、木が植えてある場所の条件や育ち方によって伐採作業の難易度や危険度が異なります。難易度が高く危険な作業はそのぶん費用も高額になり料金に幅があります。
庭木の伐採費用を決める要素としては、庭木の高さなどによる作業費、重機代、伐採後にかかる処分費などがあります。
(1) 抜根や整地をすると追加費用がかかる。
伐採作業とは、木を根元から切断することを意味します。そのため、伐採後の土地に建物を建てたい場合など、更地にする必要があるときは、伐採に加えて張り付いた根を抜く抜根と整地を行わなければなりません。
・抜根
木の根を抜き出す作業です。大木の場合は建物の基礎や配管などに絡んでいるおそれがあるので注意が必要です。
・整地
建物を建てる場合地面を平らにならす作業です。
(2) 庭木の高さ
多くは庭木の高さによって費用が決まります。低木・中木・高木の3つに分けて費用を設定している業者が多くあります。
一般的には3m以上の高さの木を「高木」と言い、20m以上に育っている巨大な木を「大木」と言います。
伐採する木の太さを計測する場合は、直径ではなく木の外周を測るのが一般的です。外周の長さのことを幹周りと言います。
その他、幹の直径や葉張りなどを基準に料金を決めている業者もあります。業者ごとに見積りを依頼します。
(3) 重機の使用
大量の木や大きな木を切るなどの大規模な伐採には重機を使用する場合が多くあります。
伐採に使われるおもな重機は、クレーン車とショベルカー(油圧ショベル、パワーショベル、ユンボと呼ばれることもある)の2種類です。クレーンは高所部の伐採作業、ショベルカーは伐採した木を支えたり運んだりするときによく使われます。
高さ3m以内の木ならクレーン車などの重機を使わず手作業で行えるため、1本あたり10,000円以内で収まるケースが多いでしょう。
重機は、基本的に1日単位でレンタルします。
(4) 伐採後にかかる処分費
伐採した木を運び出したり、処分したりするときにかかる費用があります。
引き取りの費用は、トラック1台いくらという決め方をしている業者が多くあります。
処分費にはトラックの運賃や移動の費用がかかります。
(5) 費用の計算方法の例
業者によって見積りの方法には違いがありますが、次のような方法があります。
・工程ごとに単価が設定されていてそれを加算する。
①抜根(幹周り30cm~の木の根っこを取り除く) 4,000円/本~
②高木伐採(3m以上の木を伐採する)10,000円/本~
③大木伐採(幹周り1m~の木を伐採する)15,000円/本~
④庭木の処分(3m以下の低い木の伐採・運び出しをする)2,000円/本~
⑤搬出・運搬(切り倒した木をトラックで運び出す)3,000円/本~
⑥クレーン車 50,000円/日~ ショベルカー 7,000円/日~
⑦ゴミ処分費用(軽トラック1台分程度の葉っぱや細かい枝の掃除・処分をする)5,000円/台~
まとめ
・一般的な30坪の木造の家の場合、古い家を更地にする解体費用の相場は約90万円~150万円程です。
・建物の構造による目安は、木造なら3万~5万円/坪、鉄骨造なら4万~6万円/坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なら5万~8万円/坪程度が目安です。
・解体費用は、その他、付帯工事がどのくらい必要か、廃材がどのくらい出るかなどにより加算されます。
・庭木の伐採費用を決める要素としては、庭木の高さなどによる作業費、重機代、伐採後にかかる処分費などがあります。