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自筆証書遺言書の保管制度とは PART2
自筆証書遺言書の保管制度とは PART2
(PART1より)
目次
1.自筆証書遺言書保管制度の目的と法律
(1) 自筆証書遺言書保管制度の目的
(2) 法務局における遺言書の保管等に関する法律
2.自筆証書遺言書保管制度の概要
(1) 自筆証書遺言書保管制度とは
(2) 自筆証書遺言書保管制度の意義、特徴
3.自筆証書遺言保管制度のメリット、デメリット
(1) 自筆証書遺言書保管制度のメリット
(2) 自筆証書遺言書保管制度のデメリット
4.自筆証書遺言書保管制度で発行される証明書
(1) 遺言書情報証明書について
(2) 遺言書保管事実証明書について
5.自筆証書遺言書作成において求められる様式等
(1) 用紙について
(2) 片面のみの記載
(3) 各ページにページ番号を記載
(4) 複数ページある場合でもホッチキス等で綴じない。
6.自筆証書遺言書保管制度利用の手続き
まとめ
4.自筆証書遺言書保管制度で発行される証明書
遺言者の死亡後、その相続人等(相続人、受遺者、遺言執行者等)は、当該遺言者の遺言書について①遺言書情報証明書、及び、②遺言書保管事実証明書の2種類の証明書の交付の請求をすることができます。
(1) 遺言書情報証明書について
遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(又は国籍等)に加え、目録を含む遺言書の画像情報が表示されるものであり、遺言書の内容の証明書となるものです。
(2) 遺言書保管事実証明書について
請求書に記載した特定の遺言者の遺言書で、請求者自身が相続人、受遺者、遺言執行者等の関係相続人等に該当する遺言書が、遺言書保管所に保管されているか否かその遺言書の保管の事実の有無を証明するものです。
5.自筆証書遺言書作成において求められる様式等
作成においては様式の指定があります。
(1) 用紙について
・サイズ:A4サイズ
・余白:必ず最低限上部5ミリメートル、下部10ミリメートル、左20ミリメートル、右5ミリメートルの余白をそれぞれ確保しなければなりません。
(2) 片面のみの記載
用紙の片面のみの記載とし、両面に記載して作成された遺言書、財産目録は不可となっています。
(3) 各ページにページ番号を記載
総ページ数も分かるように、各ページに1/2、2/2などと記載します。
(4) 複数ページある場合でもホッチキス等で綴じない。
スキャナーで遺言書を読み取るため、全てのページを綴じずにバラバラのまま提出します。
6.自筆証書遺言書保管制度利用の手続き
遺言書の保管の申請の手続きは次のように行います。
➀<ステップ1>
・自筆証書遺言に係る遺言書を作成します。
②<ステップ2>
・保管の申請をする遺言書保管所を決めます。
保管の申請は、次の「遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所」、「遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所」、「遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所」のいずれかの遺言書保管所の中から選択して行います。
*法務局「法務局手続き案内予約サービス」
https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/top/portal_initDisplay.action
③<ステップ3>
・遺言書の保管申請書を作成します。
④<ステップ4>
・保管の申請の予約をします。
都合の良い日時で、<ステップ2>で決めた遺言書保管所の予約を取ります。
※手続には予約が必須です。
⑤<ステップ5>
・遺言書保管所に行き、保管の申請をします。
予約した日時に遺言者本人が、遺言書保管所へ行きます。
持参するものは下記です。
a. 遺言書
b. 保管申請書
c. 添付書類
d. 住民票の写し等
e. 顔写真付きの官公署から発行された身分証明書
f. 手数料 ※遺言書1通につき3,900円
⑥<ステップ6>
・最後に保管証を受け取ります。
*法務省「自筆証書遺言書保管制度」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
まとめ
・自筆証書遺言は、遺言書を作成した本人の死亡後、相続人等に発見されない場合や、一部の相続人等により改ざんされるおそれがあり、それらを解決する目的で「法務局における自筆証書遺言書保管制度」が生まれました。
・自筆証書遺言書保管制度とは、遺言者が作成した自筆証書遺言書を、本人が保管を委託する法務局に申請し、保管証を受けとり保管するものです。
・自筆証書遺言書保管制度のメリットは次のようなものです。
➀遺言書の隠匿、紛失、改ざん、盗難などが防げること。
②従来の自筆証書遺言書の家庭裁判所での「検認」手続きが不要になること。
③自筆証書遺言書作成にはない形式的なチェックを受けることができること。
④遺言書は原本と画像データが保管され、画像データは遠隔地でも閲覧できること。
・自筆証書遺言書保管制度のデメリットは次のようなものです。
①チェックは形式面だけであること。
②本人が出向かなければならないこと。
③相続後に相続人等による遺言書の原本の閲覧請求があると、他の相続人に通知が届くこと。
・遺言者の死亡後、その相続人等(相続人、受遺者、遺言執行者等)は、当該遺言者の遺言書について「遺言書情報証明書」、及び、「遺言書保管事実証明書」の2種類の証明書の交付の請求をすることができます。
➀遺言書情報証明書とは
遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(又は国籍等)に加え、目録を含む遺言書の画像情報が表示されるものであり、遺言書の内容の証明書となるものです。
②遺言書保管事実証明書とは
請求書に記載した特定の遺言者の遺言書で、請求者自身が相続人、受遺者、遺言執行者等の関係相続人等に該当する遺言書が、遺言書保管所に保管されているか否かその遺言書の保管の事実の有無を証明するものです。