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婚外子の相続と、認知による戸籍の変動とは

婚外子の相続と、認知による戸籍の変動とは

 

父親が亡くなり相続手続きを始めたところ、戸籍を調べたら死亡した父に隠し子(婚外子)がいることが分かった場合に、隠し子にも相続させなければならないのでしょうか?などの疑問を持つ人もいます。戸籍で隠し子の存在がわかったということは、その子供は認知されている事実を示しています。認知をしている場合と認知していない場合の相続、嫡出子と婚外子(非嫡出子)の相続の割合や認知の種類、婚外子(非嫡出子)を認知した場合の戸籍の記載の変動などについて説明します。

目次

1. 婚外子の相続

(1) 婚外子とは

(2) 非嫡出子と両親の法的な関係

(3) 嫡出子と非嫡出子の違い

(4) 非嫡出子も親の遺産を相続できる。

(5) 非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等

(6) 相続税計算の法定相続人は認知された非嫡出子も含む。

(7) 非嫡出子を参加させずに遺産分割協議をするとどうなる?

2. 認知による戸籍の変動

(1) 認知とは

(2) 認知の種類

(3) 嫡出子と非嫡出子の戸籍の記載の仕方

まとめ

 

1.婚外子の相続

 

(1) 婚外子とは

 

婚外子とは、法的な婚姻関係にない男女の間に生まれた子供のことをいいます。法律的には非嫡出子と呼ばれています。以下、非嫡出子と表現します。

 

(2) 非嫡出子と両親の法的な関係

 

非嫡出子と両親の法的な関係は、次のような考え方で決まります。

 

非嫡出子と母親の関係:出産した事実(出生届の提出)から確定

非嫡出子と父親の関係:認知によって確定

非嫡出子を認知するためには、市区町村役場に認知届を提出します。届けでは市区町村により異なる場合もあり、市区町村役場の戸籍担当窓口で確認が必要です。

 

認知の効力は子供の出生までさかのぼります。つまり、認知された子供は生まれたときから認知した父親の子供であったことになります。

 

(3) 嫡出子と非嫡出子の違い

 

「嫡出子」とは法律上の婚姻関係にある夫、妻の間で生まれた子どもをいいます。具体的には下記にあたります。

 

・婚姻中に妊娠をした子ども
・婚姻後201日目以後に生まれた子ども
・父親の死亡後、もしくは離婚後300日以内に生まれたこども
・未婚時に生まれて認知をされ、その後に父母が婚姻した子ども。
・未婚時に生まれてから、父母が婚姻し、父親が認知をした子ども
・養子縁組の子ども

 

以上の条件に当てはまる子どもを嫡出子といい、非嫡出子は、法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子どもであり、且つ上記の嫡出子の具体的な条件に当てはまらない子どもをいいます。

 

ただし、上記の基準は「嫡出推定」というものであり、結婚を基準に子どもの父親を定めるルールです。子どもの幸せのために保護者となる父親を早く確定させようと設けられた仕組みです。

しかし、夫婦が結婚してから200日以内に生まれた子は、夫の子とは限らないということで、嫡出推定のルールでは父親は定まらない問題があります。

また、離婚した場合も、300日以内に生まれた子は、結婚している間にできた可能性が高いということで、離婚した元夫の子だと推定されます。しかし現実には、結婚生活が破たんしていても離婚の成立に時間がかかり、その間に新しいパートナーと暮らしているケースも珍しくありません。新しいパートナーとの間にできた子が嫡出推定の及ぶ期間内に生まれた場合に矛盾が出てきます。

これらの問題については元夫の暴力の問題もあり深刻さも増しており現在論議が行われています。

 

(4) 非嫡出子も親の遺産を相続できる。

 

非嫡出子は嫡出子と同様に親の遺産を相続することができます。ただし、父親の遺産を相続する場合は父親に認知されていることが必要です。

 

母親の遺産:相続できる。

父親の遺産:父親に認知されている場合は相続できる。

 

(5) 非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等

 

非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等に計算します。

 

かつては、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1であるとされていました。しかし、この規定は法の下の平等を定める憲法に違反するという最高裁の判断から民法が改正され、非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等になりました。

 

*民法第900条

 

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は次の各号の定めるところによる。

 

1.子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

2.配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。

3.配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。

4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

 

※民法改正により下線部が削除されました。

 

民法第900条4項の下線部分が削除されましたので、現在の条文は「4.子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。」と変更されています。

 

この条文の改正によって、嫡出子と非嫡出子の相続分は平等の取り扱いに変更されました。

 

(6) 相続税計算の法定相続人は認知された非嫡出子も含む。

 

相続税の計算では、法定相続人の数が影響するケースがいくつかあります。具体的には次の4項目です。

 

①基礎控除額
②死亡保険金の非課税限度額
③死亡退職金の非課税限度額
④相続税の総額

 

基礎控除額は、遺産総額がこの額以下であれば相続税が課税されないという金額のことで、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。また、生命保険や損害保険の死亡保険金は、「500万円×法定相続人の数」までの部分が非課税になります。

 

(7) 非嫡出子を参加させずに遺産分割協議をするとどうなる?

 

非嫡出子は、嫡出子との間で生活を共同にしていた時期がない、嫡出子と普段からコミュニケーションを取る機会がない、そもそも嫡出子側が非嫡出子の存在を認識していないなど、嫡出子と疎遠な状態になっているケースも多いのが実情です。

このようなケースでは、非嫡出子を参加させないままに、配偶者と嫡出子だけで遺産分割協議をまとめてしまう場合も見受けられます。

 

しかし、非嫡出子を参加させずに遺産分割協議を行ってしまうと、無効になる可能性があります。

 

・遺産分割協議が無効、やり直しになる。

 

民法上、遺産分割は共同相続人間の協議により行うことが規定されています(民法第907条第1項)。つまり遺産分割協議は、相続人全員が参加したうえで行うことが必須となります。

 

非嫡出子が相続人になっているケースでは、当然非嫡出子も参加したうえで遺産分割協議を行わなければなりません。もし非嫡出子を無視して遺産分割協議を行ってしまうと、遺産分割協議自体が無効・やり直しになってしまいます。

 

2.認知による戸籍の変動

 

(1) 認知とは

 

認知とは、「結婚していない男女の間に生まれた子、またはこれから生まれる子を、自分の子だと認める行為」です(民法第779条)。

 

母と子の関係については、認知の手続きをする必要がありません。分娩という事実によって当然に親子関係が生じるとされているからです。一方、父と子の関係については、分娩するわけではないので親子関係の確定が困難です。そのため、法律上の親子関係を発生させるためには認知が必要なのです。

 

(2) 認知の種類

 

認知には次のような種類があります。

 

①任意認知(生まれた子を認知する場合)

 

父が届け出ることにより、認知の効力が生じます。認知の効力は、認知の時よりさかのぼって、子の出生の時から発生します。

ただし、成年の子を認知する場合は、その子の承諾が必要となります。

 

②任意認知(胎児を認知する場合)

 

子が生まれる前の胎児を認知することができますが、この場合、母の承諾が必要です。胎児認知は、子が生まれて効力が発生します。

 

③裁判認知

 

父が任意認知をしないときは、父の意思とは別に、訴えに基づき裁判所の判決又は審判によって、父子関係の確定を求めることができます。

 

④遺言認知

 

遺言により認知する場合、遺言執行者がその就職の日から10日以内に、遺言書の謄本を添付して認知届をすることで成立します。遺言による認知の効果は、遺言者が死亡した時点から生じます。

 

ただし、認知する父と認知される子の間に、事実上の親子関係が存在しなければ、認知することはできません。

 

父母が婚姻関係に関わらず、認知すれば相続の対象となります。

父が認知しても、子の氏に変更はありません。父の氏に変更したい場合又は父の戸籍に入籍したい場合は、家庭裁判所で子の氏の変更の許可を得た後、市区町村役場で入籍届を行う必要があります。ただし、入籍の際に、父母が婚姻中であれば、家庭裁判所の許可は不要です。

 

(3) 嫡出子と非嫡出子の戸籍の記載の仕方

 

嫡出子と非嫡出子とでは、誰の戸籍に記載されるかで戸籍の記載の仕方が異なります。

 

①嫡出子の戸籍の記載

 

嫡出子は両親の戸籍(筆頭者は父または母)に記載されます。

 

②非嫡出子の戸籍の記載

 

非嫡出子は母の戸籍に入ります。「戸籍に記載されている者」の父欄は、認知されない段階では空欄です。

 

a. 認知すると父方の戸籍はどうなるのか?

 

父が子どもを認知しても、子は父の戸籍に入るわけではありません。つまり、「戸籍に記載されている者」の欄には、子は記載されません。

しかし、認知の事実は「身分事項」の欄に記載されます。

 

「身分事項」欄に「出生」に続き「認知」と記載され、次の内容が記載されます。

【認知日】○年○月○日

【認知した子の氏名】○○ ○○

【認知した子の戸籍】○○県〇〇市△△町1丁目3番地

○○ ○○

b. 認知すると母方の戸籍はどうなるのか?

 

子供の父欄に氏名が記載されます。

また、子供の「身分事項」欄には、「出生」の次に「認知」が記載されます。

 

まとめ

 

・婚外子とは、法的な婚姻関係にない男女の間に生まれた子供のことをいいます。法律的には非嫡出子と呼ばれています。「嫡出子」とは法律上の婚姻関係にある夫、妻の間で生まれた子どもをいいます。
・非嫡出子と両親の法的な関係は、母親の関係は出産した事実(出生届の提出)から確定し、父親の関係は認知によって確定します。
・非嫡出子も親の遺産を相続できます。母親の遺産は当然相続でき、父親の遺産は父親に認知されている場合に相続できます。非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等です。
・非嫡出子を参加させずにした遺産分割協議は無効、やり直しになります。
・認知とは、「結婚していない男女の間に生まれた子、またはこれから生まれる子を、自分の子だと認める行為」です。
・非嫡出子は母の戸籍に入ります。「戸籍に記載されている者」の父欄は、認知されない段階では空欄です。
・父が子どもを認知しても、子は父の戸籍に入るわけではなく、認知の事実は「身分事項」の欄に記載されます。
・認知すると母方の戸籍には子供の父欄に氏名が記載されます。また、子供の「身分事項」欄には、「出生」の次に「認知」が記載されます。
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