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養子縁組によって起きるトラブルケース
養子縁組によって起きるトラブルケース
養子縁組をすれば養子と養親には法律上の親子関係が結ばれ、養子は実子同様に法定相続人になれます。相続税対策として、養子縁組を検討中の方もいるかもしれません。養子縁組やその解消は、養子や養親にとって重要な問題で、事前にどんなトラブルが起きやすいのかを理解しておき対策をしておくのが良いでしょう。養子縁組で起きる代表的なトラブル例を紹介します。
目次
1. 再婚して配偶者の連れ子を養子にし、再び離婚した場合
2. 養親の死亡後も養親親族との関係の継続
3. 実子など他の相続人が養子縁組に反対する場合
4. 実子に養子の存在を知らせなかった場合
5. 養子縁組解消を一方が拒む場合
6. 相続税が2割加算される場合
7. 普通養子は養親だけでなく実親の相続権もあるため、実親の実子との間にトラブルが生まれる場合
8. 養子縁組をした時期により代襲相続は認められない場合
まとめ
1.再婚して配偶者の連れ子を養子にし、再び離婚した場合
再婚した配偶者に連れ子がいる場合、再婚した配偶者や再婚後生まれた子どもは相続人となりますが、連れ子にはそのままでは相続権がありません。連れ子を自身の相続人にするためには養子縁組をする必要があります。
しかし、その後再婚相手と離婚した場合には、元配偶者の連れ子との養子縁組解消は別途手続きする必要があります。再婚相手との間に実子がいる場合に特に問題になります。養子縁組の解消手続きをしない場合は、養子となった元配偶者の連れ子も法定相続人となります。
2.養親の死亡後も養親親族との関係の継続
養親が死亡したとしても、養子縁組の関係は解消されません。そのため、養親が亡くなった後も養親の兄弟や両親存命であれば両親などと親族関係が続きます。養親の親が高齢で介護が必要な場合も多くあります。
養親の親族の扶養義務を負いたくない場合には、死後離縁の手続きをして、養親の親族との関係を断ち切ることが必要になってきますが、養親の養子縁組の動機が養親の親の面倒を看ることであった場合など問題になります。
3.実子など他の相続人が養子縁組に反対する場合
養子縁組を結ぼうとしたときに、他の相続人が養子縁組に反対する可能性があります。特に実子がいる場合の抵抗は大きいことが予想されます。養子は実子同様に養親の法定相続人になれるため、養親の実子などは自分が将来受け取れる相続分が減る可能性があるからです。
4.実子に養子の存在を知らせなかった場合
養子縁組は養親と養子の間で合意があれば手続き可能です。そのため実子が、親が養子をとっていた事実を知らされていない可能性もあります。
親が亡くなり相続が発生した時に戸籍を調べて初めて養子の存在を知るともめる可能性があります。
5.養子縁組解消を一方が拒む場合
養子縁組の解消をする場合は、将来の相続にも関わる問題です。養子縁組の解消では両者の合意が必要で、養親または養子の一方が養子縁組の解消を拒むケースもありえます。双方の合意が得られない場合には、調停離縁や裁判離縁による解消をしなくてはなりません。
6.相続税が2割加算される場合
孫などを養子にする場合に、相続税が2割加算されることがあります。
孫に生前にまとまった財産をあげる場合には贈与税がかかります。そこで、孫と養子縁組をしておく相続する方法が考えられます。孫を養子にした場合、法定相続人が増えることになりますので、相続税の基礎控除額(法定相続人1人につき600万円)が増えて節税対策になるからです。
ただし、本来は子に相続し、その後孫に相続するという流れですが、相続を一回とばして孫に自身の相続時に財産を相続させる場合には、相続税が2割加算されます。
7.普通養子は養親だけでなく実親の相続権もあるため、実親の実子との間にトラブルが生まれる場合
普通養子縁組では、実親との親子関係はそのまま継続されています。普通養子は相続権を、実親と養親の両方で保有することになります。
実親に実子がいる場合が多いため、実子が実親からの相続財産が少ない場合は養子に行った兄弟姉妹の取り分に不満を持つ場合がありトラブルになる可能性があります。
8.養子縁組をした時期により代襲相続は認められない場合
養子縁組した子どもがすでに亡くなっている場合、実子と同様にその養子縁組した子どもの子、つまり孫は代襲相続をすることができます。
しかし、養子縁組した人との血縁関係は、養子縁組をした時から始まりますので、孫が養子縁組する前に生まれていた場合には代襲相続ができません。
まとめ