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不動産を高く売るコツ
不動産を高く売るコツ
不動産の投資やビジネスをする人は当然安く買って高く売りたい考えです。個人の場合の多くは投資やビジネスではなく、住んでいる唯一の不動産を売るわけで、住み替えなどで売らざるをえない背景もあります。そのため、売主の状況により、早く売りたいのか、高く売りたいのかで方法が分かれてきます。ここでは高く売りたい場合を想定して、少しでも高く売るコツというものを紹介したいと思います。
目次
1.不動産を早く売りたいのか、高く売りたいのか
2.不動産を高く売るには、好景気の時に売る。
3.不動産を高く売るには、低金利の時に売る。
4.不動産相場が右肩上がりの時は待ち、止まって横ばいになった時に売る。
5.高く売ってくれそうな不動産会社に依頼する。
(1) 査定価格が高く、その理由が明確な会社を選ぶ。
(2) 営業力の高い会社を選ぶ。
(3) 店長、担当者などの熱意のある会社を選ぶ。
6.売主自身が直接インターネットオークション、SNSなどで売る。
7.その他高く売るための戦術的な方法
(1) 土地は更地化して売る。
(2) 広い土地は分割して売る。
(3) 建物はリフォームして売る。
(4) 内覧会で売主自身が説明して売る。
まとめ
1.不動産を早く売りたいのか、高く売りたいのか
不動産を早く売りたい場合と高く売りたい場合は戦略が異なります。早く売りたい場合は、不動産会社に買取を依頼する方法があります。高く売りたい場合は不動産会社に媒介で依頼するのが通常です。
また、不動産会社に媒介で売却を依頼する場合でも、早く売りたい場合は社会的な景気動向を考慮に入れずに、自分自身の切実な状況の解決のために、売却までの時間が短時間で行えることが重要になってきます。また、売却価格を下げれば当然早く売れます。
一方、高く売りたい場合は、高く売れる時まで待てばよいのです。時期に合った時にさらに高く売れる戦術を考えます。
2.不動産を高く売るには、好景気の時に売る。
株などの金融商品と不動産は投資の市場においても動きは異なり、株式は各種の世界的な状況により複雑に変動します。しかし、不動産は相対的に変動幅が少ないものです。しかし、社会的な景気の影響を受けるのは同様です。近年のリーマンショクの影響では金融、不動産も含めてすべての分野で景気が後退し、ほとんどの不要不急の商品は売れなくなりました。
現在のコロナ禍の景気の後退でも生活の必需品は堅調であったり、コロナウィルスという原因により医療分野は好調であったり、疾病対策で働き方が変わりIT分野が好調であったり、不況の中でも原因により特殊性は生まれます。コロナ禍での不動産市場の特殊性では、オフィス市場の縮小があったり、逆に倉庫などの分野が伸びたり、サテライト物件に関心が集まるなどの変化はあります。
いずれにしても、不動産を含めて好景気の時は社会的に購買や投資に前向きで、仕事が活発になり雇用も増え、結果的に個人も収入が増え、不動産の購入も進みます。売主にとっては売り時と言えるでしょう。
3.不動産を高く売るには、低金利の時に売る。
国内であれば日銀の金利政策が判断基準になります。低金利であれば金融機関は低い金利で資金を調達でき、住宅ローンの個人への貸出においても、低金利で融資が可能になります。住宅ローンは高額な金額を30年間等の長期に渡り支払うために、借り手にとって金利は決定的に重要な要素です。買い手にとって、低金利の時不動産は買い時で、結果的に売主にとっても売り時と言えます。
日本の超低金利政策は、1990年代後半から長期に渡り現在も続いています。また、コロナでの景気の後退で、景気刺激策としても低金利は継続すると思われます。
国際的な金利の影響はアメリカのFRBの金融政策の影響で金融商品は変動の可能性はありますが、国内不動産市場では日銀の金利政策の影響が決定的なので、金利が上がる傾向の時は早めに売却する対策を検討する必要が出てきます。
4.不動産相場が右肩上がりの時は待ち、止まって横ばいになった時に売る。
不動産相場が右肩上がりの時はまだ上がる可能性があります。相場が止まってやや横ばいになればそこで見切り売却するのが適当と言えます。もちろん、判断は投資の場合と同様に難しく、相場の動向予測を情報収集し判断することになります。
土地が値上がり基調であるかどうかを判断するには、後追いにはなりますが、近隣の地価公示価格を確認する方法があります。地価公示とは、定点観測地点の価格を国が毎年調査し公表する制度です。
相場が判断できなければ、売主にとっては基本的には、買った時よりも値上がりしていれば得をすることになるので売り時と言えます。
5.高く売ってくれそうな不動産会社に依頼する。
売却の時期に関わらず、売却するには不動産仲介会社に依頼することになるのが一般的です。そのためには売主にとって、物件を高く売ってくれそうな不動産会社の選択も課題になります。高く売ってくれそうな会社を選ぶ方法には次のようなものがあります。
(1) 査定価格が高く、その理由が明確な会社を選ぶ。
査定を複数社で行えば査定価格に差が出ます。査定価格が高いことは、査定した不動産会社が物件を相対的に高く評価していることです。また、その物件の分野や地域、又は総合的に扱う実績があり売る自信があることです。
ただし、査定後の媒介契約を取りたいがために査定価格を高くする不動産会社もないとは言えません。そうすると媒介契約をした後に、査定した価格では難しいとして売却価格の設定で変更を申し入れてくる可能性もあります。そこで、単に価格だけでなく査定価格の裏付けとなる理由を確認することが必要です。同様の物件での査定価格に類似した価格の実績がある、地域での実績が豊富などの理由を聞き納得したら売却依頼します。
査定では、机上の査定だけでなく訪問査定での結果で判断します。訪問査定でないと物件の評価が明確ではありません。
(2) 営業力の高い会社を選ぶ。
営業力は販売ネットワーク、宣伝力、知名度、得意な分野、営業マンの数などによるものです。会社としての販売実績などをホームページやその他会社データ(上場会社であれば会社四季報など)で検討します。
(3) 店長、担当者が熱意のある会社を選ぶ。
不動産仲介の場合は特に実際の販売を担当するのは個人です。大手会社でも個々の物件まで組織的に多くの人間が動けるものでもありません。やはり担当者個人の熱意が重要です。そして店長も熱意があればなおさら可です。価格設定の価値や意味を買い手に伝えてくれ熱心に活動してくれる可能性があります。
6.売主自身が直接インターネットオークション、SNSなどで売る。
低価格のお得物件、別荘、セカンドハウス、自然環境の良い地方物件、趣味を生かした設備、環境などのある物件(陶芸の釜、畑、果樹園、ツリーハウスなど)、古民家など特色のある物件は、所有者自身が思いを訴えることで相手に伝わり、この人からならば買っても良いかと思ってもらえることもあります。
これらの情報を見る人は不動産の顕在化した購入希望者ではなく、新鮮で相対的に価格の比較をしない市場と言っても良いでしょう。つまり売り手は希望価格で設定できオークションなどで決定する方法もあるでしょう。
しかし、価格が高い物件などでは素人の個人間の売買では心配されることも多くあるでしょうから、不動産仲介者と事前に打ち合わせ、売り手からだけの仲介依頼だけでなく買い手からの仲介依頼も間に入ってやってもらい、その代わりに売主による営業の結果による顧客開拓のため、仲介手数料を大幅に安くしてもらうなどの取り決めをしておけば可能な場合があります。
なお媒介契約では、売主が自分で顧客を見つける自己発見取引については、一般媒介媒介と専任媒介契約では、不動産会社を仲介人とする必要なしとしていますので本来的には仲介なしでも可能です。ただし、トラブルの防止を考えると、素人だけの契約では買い手が不安に思う場合も多いので、仲介に入ってもらった方が安心とは思います。
7.その他高く売るための戦術的な方法
その他一般的に知られている高く売るための戦術的な方法としては次のようなものがあります。
(1) 土地は更地化して売る。
土地に古家があると汚く購買意欲を削ぎます。更地には用途の多様性があり、買い手にとっては取り壊しや撤去の費用の負担がありません。
(2) 広い土地は分割して売る。
買いやすい価格にまで分割し販売します。
(3) 建物はリフォームして売る。
物件がきれいで設備が新しければ買い手の購買意欲を高めます。ただし、大幅なリフォームは売れない場合のリスクがあり、買い手の希望と内容がミスマッチする場合もあります。
(4) 内覧会で売主自身が説明して売る。
内覧会では買い手の購入意欲を高めるために、住宅の良い点、きれいさなどをアピールします。部屋をクリーニングし綺麗にし、物を整理してスッキリしたスペースにしておくことなどがあります。
加えて、不動産会社の担当だけでなく売主も内覧者に挨拶し、住まいの由来や良い点などを説明するとプラスになる場合もあります。売主の人柄も気に入ってもらえば相対的に高く売れる可能性が出てきます。少なくとも値引き要求をそれほどされなくなる可能性があります。
まとめ
・不動産を高く売るには、好景気の時に売る。
好景気の時は社会的にも購買や投資に前向きで、個人も収入が増え不動産の購入も進みます。
・不動産を高く売るには、低金利の時に売る。
住宅ローンが長期間低金利になり買い手にとって好機です。
・不動産相場が右肩上がりの時は待ち、止まって横ばいになった時に売る。
頂点に近づいたり止まったりすれば当面の価格は上限と判断します。
・高く売ってくれそうな不動産会社に依頼する。
価格査定などが判断基準となります。
・売主自身が直接インターネットオークション、SNSなどで売る。
特徴のある物件などで意味があります。また、顕在化した不動産市場には現れない情報であり価格競争がありません。また、オークションにうまくのれば高く値が付く可能性もあります。ただし、あまり高価格なものは向かない可能性があります。